(※写真はイメージです/PIXTA)

大胆・緻密なストーリーで話題を読んだドラマ「地面師たち」はご存じでしょうか。このドラマは実話ではありませんが、実際に起きた地面師事件の要素が反映されているのではないかと言われています。本コラムでは、不動産投資の観点から、地面師詐欺の実例や手口、地面師に狙われる物件の特徴、詐欺被害を防ぐための具体的な対策について解説します。

地面師被害を防ぐためには

(画像:PIXTA)
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ここでは、地面師被害を未然に防ぐための具体的な方法を紹介します。

 

巧妙化する地面師の手口から大切な資産を守るためには、日頃からの備えと対策が非常に重要です。不動産取引は高額な取引になるため、少しでも不審な点があれば、立ち止まって慎重に確認することを心がけましょう。

 

信頼できる不動産会社・専門家に相談する

不動産取引を行う際、信頼できる不動産会社や、弁護士・司法書士などの専門家に相談することで、契約内容の妥当性やリスクについて客観的なアドバイスを受けることができます。これらの専門家は、地面師の手口や最新の詐欺情報にも詳しいため、適切な助言が期待できます。

 

特に、初めて不動産取引を行う場合や、高額な取引を行う場合は、必ず専門家の意見を聞くようにしましょう。売却は自己責任になります。騙されないためにもしっかりと知識を身に着け、自分自身で判断できるように日頃から備えましょう。

 

本人確認・不動産登記簿の確認を徹底する

地面師被害を防ぐためには、売主の本人確認と不動産登記簿の確認を徹底することが重要です。売主が提示する身分証明書だけでなく、運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等の顔写真付きの公的身分証明書を複数確認するなど、入念にチェックしましょう。

 

さらに、法務局で取得できる登記簿謄本を確認し、所有者情報や権利関係に間違いがないか、最新の情報に更新されているかを必ず確認しましょう。少しでも不審な点があれば、取引を中止し、専門家に相談することをおすすめします。

 

周囲の人や地域住民に相談する

不動産取引を行う際には、周囲の人や地域住民に相談することも有効な対策です。特に、長年その地域に住んでいる人や、地域の事情に詳しい人は、土地の状況や過去の取引に関する貴重な情報をもっている可能性があります。

 

実際に積水ハウスが地面師事件で多額の被害を受けた際、被害に遭わなかった別のディベロッパーは、近隣住民に「売主」とされる人物の写真を見せて本人確認を行うことで、売主が偽物であることが判明し、被害を免れることができました。

 

地域住民との情報共有は、地面師被害を防ぐ上で、非常に効果的な手段といえるでしょう。

 

不動産に関する知識を身につける

地面師被害を防ぐためには、不動産取引に関する知識を自ら深めることも大切です。不動産取引の流れ、必要な書類、確認すべきポイントなどを理解しておくことで、地面師の巧妙な手口を見抜くことができるようになります。

 

また、相場からかけ離れた価格で取引を持ちかけられた場合など、不審な点に気づくためには、不動産取引の相場観を養っておくことも重要です。不動産関連の書籍やセミナーなどを活用するほか、不動産情報サイトの販売物件情報などから積極的に知識や相場観を習得しましょう。

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