
2人の親の介護に限界…実母だけ老人ホームに入居させたワケ
なぜ老人ホームへの入居を決めたのは実母だったのか?
――義母はまだひとりでできることが多いんです。しかも意識も明瞭です。しかし母は、どんどんひとりでできないことが増え、目が離せなくなる。そのうち私のことだって、忘れてしまうかもしれない。ちゃんとプロにおまかせしたほうがお互いが楽だろうと思いました
和子さんの年金受取額は月14万円。この金額では有料老人ホームは難しい……入居待ちの列がなすと聞いたことのある特別養護老人ホーム(特養)しかないと、入居まで長くかかることを覚悟で申込んだといいます。すると、想像以上にスムーズに入居が決まりました。
特養の入居待ち時間は施設によって大きく変わり、都心部では入居まで長い傾向にあります。一方で地方は待機者が少ない傾向。また本人や家庭の事情を考慮し、即入居が望ましい場合や、希望者の少ないユニット型を希望した場合などは、すぐに入所できる場合も。いずれにせよ、事情をよく知るケアマネージャーなどからアドバイスをもらうのが入所への近道になります。
Q.老人ホーム入居のきっかけは?
入院して自宅復帰が難しかった…35.4%
自宅で介護を受けていたが継続が難しくなった…30.0%
ひとり暮らしの継続が難しくなった…25.4%
自立状態で生活できたが将来を考えて…5.1%
その他…1.0%
わからない…3.2%
Q.入居前に自宅で介護を受けていた期間
在宅介護期間ナシ…10.2%
3ヵ月未満…6.8%
3ヵ月~6ヵ月未満…14.7%
6ヵ月~1年未満…15.1%
1年~2年未満…15.5%
2年~3年未満…10.7%
3年~4年未満…6.4%
4年~5年未満…3.8%
5年以上…13.1%
わからない…3.8%
出所:株式会社LIFULL senior/LIFULL 介護『介護施設入居実態調査 2025』
しかし、入居の日にひと悶着あったといいます。
――母が「帰りたい、帰りたい」と暴れて……そうですよね、本人の知らないところで勝手に入居を決めてしまったわけですから。私の目をまっすぐ見据えて、「助けて!」といった母の顔を、今でも忘れることができません
入居後はプロの介護のもと、暴れるようなことは一度もなかったといいます。ただ環境が変わったせいもあるのでしょうか。入居から半年ほど経ったとき、体調を崩したのをきっかけに寝たきりの状態に。入居から8ヵ月ほどで他界しました。
――どうしても、母の死期を早めたのは自分のせい責めてしまう。あのまま自宅で介護を続けていたら、今でも元気でいられたんじゃないかと
[参考資料]