FPが指南する「優しさ」と「自立」のバランス

では、こうした状況に直面したとき、どのようにバランスを取るべきなのでしょうか? 専門家の視点から、親としてできる具体的な解決策を以下に提案します。

1. 家族会議の定期開催
・月1回など定期的に家計の状況を共有する
・各自の予定と育児分担を確認する
・就職活動の進捗を報告する

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2. 美香さんの自立支援
・ハローワークの職業訓練や保育所優先入所制度など公的支援について話し合う
・自治体の独自支援も考慮し、まずは自治体の窓口への相談を促す

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3. 養育費の請求サポート
・養育費相談支援センターや法テラスでの法的支援(収入要件あり)への相談を促す

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4. 支出管理の明確化
・光熱費の使用ルールを決める
・親のお金で暮らす場合、娯楽費や交際費の上限を決める

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5. 生活ルールの確立
・育児分担や外出時間など同居の基本ルール決める

家族の絆を守りながら、次のステップに進むための体制づくりが重要です。

この助言を受けた田中さん夫妻は、週末の温泉旅行を再開。美香さんも職業訓練に前向きな姿勢を見せ始めました。孫との大切な時間を確保しつつ、娘の自立を支援する新たな家族の形が、少しずつ見えてきています。

三原 由紀
プレ定年専門FP®