「まさか、こんな理由で……?」。年収800万円、20年以上の勤続年数、完璧な返済履歴。「十分審査は通るはず」と考えていた住宅ローン申請で、中井仁さん(55歳、会社員)は思いもよらない壁に直面しました。その理由は、日々の買い物習慣に潜んでいたのです。ファイナンシャル・プランナーの青山創星氏が詳しく解説します。

銀行員「残念ですが…」年収800万円・勤続20年以上の55歳会社員、念願のマイホームの購入を決めるも、住宅ローン申込みで「まさかのお断り」となったワケ【FPの助言】
賃貸暮らし20年以上の中井さん、念願のマイホーム購入を決意
「やっと、この日を迎えられる」。中井仁さん(仮名/55歳)は、長年勤める中堅電機メーカーで管理職として活躍中です。妻の真紀子さんとの2人暮らし。20年以上住み続けた賃貸から、ついに念願のマイホーム購入を決意しました。
年収800万円、勤続20年以上の安定収入。住宅ローンの返済期間は55歳から80歳までの25年間で計画。貯蓄もあり60歳になれば退職金を受け取れるので、繰上げ返済を想定。頭金800万円を用意し、残り4,200万円の住宅ローンを申し込むことにしました。
物件は、都心から少し離れた閑静な住宅街にある4LDKの中古マンション。駅から徒歩7分、スーパーにも近く、買い物にも便利と、妻も納得の物件でした。
しかし、思いもよらぬ事態が待っていたのです。
住宅ローン審査が通らない……いったいなぜ?
「申し訳ございませんが、このままではご希望額のご融資が難しい状況です」
銀行員の言葉に、中井さんは耳を疑いました。いったいなぜなのか……。中井さん自身には思い当たることがありません。
困惑する中井さんは、知人から紹介されたファイナンシャルプランナー(FP)の永瀬財也さん(仮名)に相談することにしました。
「住宅ローンの審査が通らない理由はさまざまですが、中井さんの信用情報を確認してみましょう」
詳しく事情を聞いた永瀬FPは、年齢とローン期間の長さ、頭金の増額など基本的なアドバイスをした上で、提案します。
「2024年11月から、CICという信用情報機関が『クレジット・ガイダンス』というサービスを始めています。これは消費者の信用状況を指数化するものです。ご自身でパソコンやスマホから照会できますので、確認してみることをお勧めします」
中井さんが早速照会してみると、予想以上に低いスコアに驚きました。