FP office株式会社の髙屋亮FPによると「年収1000万円前後の世帯ほど『老後破綻』に陥りやすい」そうです。現役時代にしっかり稼いでいれば老後は安泰のはずですが、いったいなぜなのでしょうか。年収1,000万円のサラリーマンAさんの事例をもとに、老後破綻に陥る原因と解決策をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
日本の上位5%だぞ、なにかの間違いだろ…年収1,100万円の52歳サラリーマンが“思わず二度見”「ねんきん定期便」に記載されたまさかの事実【FPが解説】
高所得者がハマる“甘い罠”
ハウスメーカーや外資系保険会社など、さまざまな職種で働いてきた筆者自身の所感も含みますが、数字が好きな男性はよく「年収1,000万円」を目標にします。日本の数%しかいない存在ですから、それを達成すると社会的ステータスが上がる感覚になるのもたしかにうなずけます。
しかし、収入が増えると欲が出てきます。
「もっといい家に住みたい。どうせだったら、都心の快適な住環境がいい」
……悪いことではありませんが、これを叶えると、いつのまにか近くに並ぶお店もいいお値段がするところばかりになっていきます。
また、子どもがいる場合は「教育の質」にもこだわります。高所得世帯はわが子を中学から私立に通わせるケースも多いですが、世帯年収1,000万円程度の場合、学費が着実に家計を圧迫していくのです。
Aさんも、わが子の教育や住環境、身に着けるものの「質」にこだわった結果、ほとんど貯金ができていないということでした。
