(※写真はイメージです/PIXTA)

「貯蓄から投資へ」という流れが加速し、2024年から新NISA制度がスタートするなど、個人の投資意欲が高まっている昨今。株式投資やFX、外貨預金、投資信託、不動産投資、暗号資産(仮想通貨)などの投資商品を購入し、資産形成を行う人が増えています。なかでも注目されているのが、将来にわたって安定した収入が得られる1棟アパートや区分マンションの不動産投資。ある程度の年収と自己資金があれば、本業が忙しい会社員の方でも、副業ではじめられる投資です。物件の購入時は高額ですが、不動産投資ローンを利用すれば、家賃収入をローン返済に充当することができます。手間をかけずに、毎月利益が得られる不動産投資。しかし、どんな投資であっても、リスクとリターンは表裏一体。リスクが低ければリターンも低く、リスクが高ければリターンも高くなります。そこで今回は、“ミドルリスク・ミドルリターン”の投資法だとされている不動産投資について詳しく解説します。

1棟アパート経営のメリット・デメリット

1棟アパート経営は、アパートを1棟丸ごと購入して運用する不動産投資です。5,000万円から1億5,000万円程度の物件が多く、区分マンションと比べると自己資金が高くなります。一方で、銀行からの信用度が高ければ、年収の10倍~12倍程度の融資を受けることが可能になり、長期的にも収益性の高い投資法です。

 

また、銀行から融資を受ける条件として、団体信用生命保険に加入する場合がほとんど。万が一、死亡や高度障害で就労ができなくなった場合に、ローンの残債がゼロになる生命保険です。購入物件と同額の生命保険に加入することになりますので、現在加入している生命保険を見直すことで、保険料の節約にもつながります。

 

なお、1棟アパートは、区分マンションと比べて利回りが高く、標準利回りは5.8%~7.0%。部屋数も4部屋から12部屋程度と複数あるため、空室が出た場合でも、ローンの返済が滞ることなく、自己資金を返済にあてるリスクが低くなります。木造新築アパートの場合は、建築コストが安価なだけでなく、木造ならではの減価償却も見込めます。

 

ただし、区分マンションとは異なり、1棟アパートには管理人が常駐していないため、建物の維持管理を自ら判断しなければなりません。

 

さらに、築年数が経過している中古アパートの場合は、突発的にリフォームやメンテナンスの費用が発生することもあり、自己資金で対応する必要があります。

区分マンション経営のメリット・デメリット

区分マンション経営とは、マンションの一室を購入して運用する不動産投資です。マンションの特徴として、駅から近く、強度や防音性に優れたRC造で建築されていることが多いため、住むうえでマンションを好む入居者も少なくありません。

 

最大のメリットは、駅が近い好立地の物件が多いこと。また、高額になりがちな不動産投資ですが、区分マンション投資は比較的自己資金が少なくても始められます。1棟アパート経営に比べて安価なため、初めての不動産投資として購入する人も多い投資法です。

 

初心者でも取り組みやすい区分マンション。しかし、貸し出せる物件が一部屋しかないため、空室になると家賃収入はゼロになります。家賃収入からローン返済、管理費、修繕費を支払っている場合は、自己資金で支払うという金銭的な負担が発生します。

 

また、区分マンションの標準利回りは3%~5%前後。投資利回りが低いため、インカムゲインで利益を出す投資というよりは、長期的に保有して、将来の老後資金やローン返済後の売却益を得ることが主な目的だといえます。

レバレッジ効果で資産を増やせる「不動産投資」

ある程度の年収と自己資金があり、しっかりとリスクを認識すれば、大きな確率で利益を上げることができる不動産投資。銀行で融資を受けられれば、少ない自己資金で安全にレバレッジをかけられる注目の投資法です。

 

また、“ミドルリスク・ミドルリターン”の投資のなかでも、最終的に土地という有形資産が残せるのは不動産投資だけ。他人資本で投資を行い、家賃収入をローン返済にあてる不動産投資は、本業で忙しい会社員の方と相性のいい投資だといえます。

 

ただし、物件の安さと高い利回りだけをみて購入してしまうと、立地や建物によっては入居者が決まらず、空室リスクが発生する危険性も……。しっかりとリスクヘッジを行いながら、慎重に良い物件を選び、安定的な資産形成につなげましょう。