(※写真はイメージです/PIXTA)

若いビジネスパーソンを中心に注目されている「FIRE」。これが不動産投資によってかなえられるということをご存じですか? 不動産投資の一種である「一棟アパート投資」でFIREを達成し、企業に縛られない悠々自適な暮らしを叶えている人が今急増しています。そんな羨望の暮らしを実現するために起こすべきアクション、そしてFIREと一棟アパート投資との親和性について解説します。

そもそも「FIRE」とは何なのか?

FIRE(ファイヤー)とは「Financial Independence, Retire Early」の略語で、企業に勤務しながら貯蓄や投資によって「経済的自立」を果たし、若いうちに早期退職することを目標にしたライフスタイルのことをいいます。

 

アメリカで生まれたムーブメントですが、近年では日本の若いビジネスパーソンを中心に注目されており、すでに実践している人も少なくありません。独立志向があり、老後の生活水準に危機感を持っている人たちが続々とFIREを達成しているようです。「誰よりも早く企業・組織の呪縛から解かれ、悠々自適な生活がしたい」、そんな願いを叶える手段のひとつがFIREなのです。

 

いくらあればFIREできるのか?

FIREを達成するには「最低でも年間生活費の25倍の貯蓄が必要」といわれます。これを一つの目安として、30歳の独身サラリーマン・A氏(月収35万円・月間生活費20万円・貯蓄額500万円)がFIREするためのプロセスを考えてみましょう。

 

月間生活費が20万円であれば年間生活費は240万円(20万円×12ヵ月)です。となると、A氏がFIREを達成するには6,000万円(240万円×25倍)の貯蓄が必要になります。そこで、現在の貯蓄額500万円を差し引いた5,500万円を貯めるまでに何年かかるのか、昇給・ボーナス・利息などは考慮せず単純計算してみましょう。

 

A氏の年収は420万円(月収35万円×12ヵ月)です。年間生活費が240万円ですから、1年間で180万円(420万円-240万円)貯蓄できます。しかし毎年地道に180万円ずつ貯蓄しても、5,500万円まで至るのに31年(5,500万円÷180万円)かかってしまいます。その時点でA氏は61歳なので定年を過ぎています。せめて50代までに早期退職したいところです。50代でFIREするには、今後の20年間で5,500万円の貯蓄をしなければなりません。

 

5,500万円÷20年=年間貯蓄額275万円(月額約23万円)

 

上記計算式の通り、毎月23万円以上の収入アップが必要になります。現在の職場での昇給・ボーナスに期待できないとなれば、何かしら資産形成を考えないとFIREは叶いません。副業をやっても数万円程度しか稼げないし、株式投資にチャレンジしても収益が不安定で、最悪は大暴落に見舞われます。では、不動産投資はどうでしょう。株式投資のように大きく稼げるチャンスこそありませんが、毎月コンスタントに家賃収入が得られます。収益が突然暴落することもなく、購入・売却の手順も株式と比べてシンプルです。

 

「一棟アパート投資」がFIREへの近道

前述の通り、不動産投資は株式投資と比較して安定収入が見込め、しかも暴落はほぼありません。そのため、投資初心者でも安心して取り組める資産運用法といえます。不動産投資には「区分投資」や「一棟投資」といったジャンルがあります。ワンルームマンションでおなじみの区分投資は、物件価格が高い割に収益が薄い点がデメリットです。一方、アパートなど複数戸を有する一棟投資は、規模に対して物件価格が控えめで高い収益が見込めます。

 

たとえば予算5,000万円で築浅投資物件を購入する場合、都心部であれば1戸の区分マンションしか買えませんが、都心近接地であれば総戸数4戸前後の一棟アパートが買えます。都心の区分マンションの方が高い家賃が取れるとはいえ12万円程度です。一方、都心近接地の一棟アパートなら1戸6万円程度の家賃が取れて総額24万円(6万円×4戸)の家賃が得られます。これらを表面利回りで見ると、区分マンションは2.8%(年間家賃144万円÷5,000万円×100)、一棟アパートは5.7%(年間家賃288万円÷5,000万円×100)と大きな差が出ます。

 

一棟アパート投資によるFIRE達成までの3つのポイント

一棟アパート投資を進めれば、誰もがFIREを達成できるとは限りません。FIREを実現するために必須となるポイントをみていきましょう。

 

目標額を設定し、投資物件を選ぶ

30歳のA氏がFIREを目指す場合、月収23万円アップを目標とすることになります。それを区分マンション投資で叶えるとなると、家賃12万円の物件を2戸購入する必要があります。一方、一棟アパート投資で叶える場合は、家賃6万円の部屋が4戸以上ある物件を一棟購入すれば達成できます。

 

不動産業者を選定し、資金計画を立てる

「大手不動産会社に任せれば安心」とは限りません。不動産会社にもそれぞれ得意分野があり、マイホーム探しに強い会社、投資用不動産に強い会社などさまざま。そのなかから、一棟アパート投資に長けた不動産会社を選ぶことが賢明です。そういった会社であれば、購入のための資金計画から購入後の賃貸運営まで幅広くアドバイスしてくれます。

 

賃貸運営・管理体制を構築する

オーナーによる自主管理も可能ですが、会社勤務をしながら家賃集金、共用部清掃などを行うことは大変困難です。日々多忙なオーナーには不動産管理会社に業務委託することをお勧めします。この不動産管理会社選びが不動産投資の成功・失敗を大きく左右するといっても過言ではありません。ちまたには多くの不動産管理会社があり、サービスの内容や質もそれぞれ異なります。どのようなサービスが受けられるのか、委託料金はいくらなのか、複数社を細かに比較・分析し、最適な一社を選びましょう。