(※写真はイメージです/PIXTA)
定年後、再雇用を希望も会社との面談で怒り
大学を卒業後、38年間勤めてきた大手メーカーで定年を迎えた池田哲也さん(仮名・60歳)。定年後の希望者は再雇用となり、70歳まで働くことができます。
【高齢者雇用の最新状況】
■企業における定年制の状況
定年制の廃止…3.9%
60歳定年…64.4%
61~64歳定年…2.9%
65歳定年…25.2%
66~69歳定年…1.1%
70歳以上定年…2.4%
■経過措置適用企業における基準適用年齢到達者の状況
継続雇用者…92.5%
継続雇用拒否者…6.5%
基準に該当しない社員…1.1%
■70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況
定年制の廃止…3.9%
定年の引き上げ…2.4%
継続雇用制度の導入…25.6%
創業支援等措置の導入…0.1%
※出所:厚生労働省『令和6年高年齢者雇用状況等報告』
池田さんは当初、再雇用を希望。会社との面談が行われ、そこで給与や勤務時間、職務内容など、雇用条件や労働条件などが話し合われました。その結果、再雇用で働き続けることを辞めたという池田さん。強い憤りを覚えたといいます。
まず、職務内容は大幅に変更になることを伝えらえました。はっきりいって、池田さんには誰でもできる簡単な仕事、に思えたといいます。そして給与。現在、月収は60万円ほどだという池田さん。60歳の定年時には退職金として、月収換算42倍の2,500万円ほどを受け取ることができます。一方、定年後にもらえる給与は25万円。現在の4割にまで減らされます。
そして何よりも池田さんが憤慨したのが、面接官の態度。法律で再雇用が義務付けられているとはいえ、「仕方なく再雇用を行う」という姿勢が見て取れて失望しました。「長年、会社に尽くしてきたのに……」そんな思いがあふれてきたといいます。
――本当は、定年を迎えた老いぼれなんて、再雇用したくないのでしょう。それであれば、人材の若返りを図りたい。わからなくもないけど、こちらは38年も会社に尽くしてきたんですよ。どこか裏切られた気持ちでいっぱいです