更地の固定資産税について
固定資産税とは、土地や不動産などの「固定資産」に対して課税される税金のことをいいます。国に納める国税ではなく地方公共団体に納める地方税で、「1月1日現在、土地、家屋及び償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている人」が納税義務者となります。
固定資産税は土地と建物のそれぞれ別々に課税されます。そのため建物を使用していないのであれば、収去して更地にしたほうが固定資産は土地のみに課税されるため安くなるのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、更地のみだと土地の固定資産税は最大で6倍・都市計画税は3倍と高くなってしまうこともあるため、支払う税金は増えてしまいます。
あえて使用していない建物を空き家として放置することで固定資産税の負担を軽減するほうがいいのではないかと考える人もいますが、長年に渡って空き家を放置していた場合、「特定空き家」に指定され更地と同等の固定資産税が課せられることもあります。「特定空き家」の詳細は後述します。
空き家や更地を保有している人は、適切な方法により固定資産税を軽減できるよう、更地にかかる固定資産税に関する基本的な知識をしっかりと理解する必要があります。
更地の固定資産税が高い理由
土地の上に建物がある場合は、「小規模住宅用地の特例」や「一般住宅用地の特例」が適用できるため、固定資産税の算出の基礎となる課税標準額が減額され、土地に対する固定資産税の負担が抑えられます。
小規模住宅用地とは、200㎡以下の住宅用地のことで(敷地面積が200㎡を超える場合には、住宅1戸あたり200㎡までの部分)、固定資産税の課税標準額を6分の1まで減額し、都市計画税の課税標準額も3分の1まで減額されます。
一般住宅用地とは、小規模住宅用地にあたらない住宅用地のことをいい、固定資産税の課税標準額は3分の1の額、都市計画税の課税標準額は3分の2の額まで減額されます。

この点だけをみると、小規模住宅用地の場合、土地の上にある建物を撤去して更地にすることで、「土地」の固定資産税は6倍になります。ただし、この場合には建物を撤去しているため、建物に課せられていた固定資産税がなくなります。結果として、トータルでの固定資産税の負担は更地にする前と比べ、最大でおおよそ3〜4倍程度となります。
このように空き家を収去して更地にすると、固定資産税の負担が重くなるため、空き家や更地を上手に活用することが重要です。
