いよいよ大学受験シーズンも本番。先日行われた共通テストでは50万人近い受験生が試験にのぞみました。夢をつかみ取ろうとラストスパートをかける受験生。一方で「大学に行かなきゃよかった」という人たちも。大学卒業後に待っていたのは「そんなはずではなかった」という後悔の日々でした。
大学なんて行かなきゃよかった…〈月収28万円〉29歳サラリーマン、東京・6畳のワンルームで「激安インスタント麺」をすする毎日に絶望【大学上京組の実態】 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京の大学なんて行かず、地元で就職しておけば…

大学進学の際、地方から上京してきた田中さん。経済的なことを考えると地元での就職が最有力。進学するにしても地元の大学が現実的でした。しかし、田中さんは東京の大学への進学にこだわったといいます。

 

――やっぱり日本の中心は東京。人生で一度は東京に出てみたかった。ずいぶんと軽い動機だと思われるかもしれませんが、地方の人間としては一大決心です

 

東京の大学に進学する条件として、親から与えられたのは奨学金の利用。月10万円の仕送りと、月6万円ほどの奨学金で大学生活を送りました。就職活動では初任給の高い大企業を志望したものの、どこも撃沈。現在勤めている会社に滑り込んだといいます。

 

――東京の大学に進学したら、バラ色の人生が待っていると思っていましたが、現実は厳しかったですね。いまどき、就職活動も楽勝かなと思ったんですが甘かったです

 

奨学金の返済は月々1万7,000円ほど。それが30代後半まで続きます。結婚して、家族を養っていく……そんな将来を当たり前のように考えていましたが、奨学金の返済を抱えているなか、現在の給与ではとても実現は難しいといいます。そんな毎日とこれからに絶望感……30代を前にした、リアルな心情です。

 

年末年始の帰省の際に、久々に高校の同級生と集まったという田中さん。高校卒業から10年。いろいろな人生を歩んでいましたが、地元で就職した友人がおよそ半数。多くが結婚し、すでに家庭をもっていたといいます。

 

――住宅ローンの返済が大変なんて、私とは違うレベルの悩みを笑いながら話しているんですよ。本当、羨ましい

 

帰省から戻り、東京で忙しい日々を送る田中さん。「こんなはずでは……」と考え込む機会が増え、そもそもの元凶ともいえる大学進学さえも悔やむようになっているといいます。

 

――地元で就職したら、こんな惨めな思いをしなくてよかったかもしれない。東京に憧れて、安易に大学進学を選んだことを後悔せずにはいられません

 

 

[参考資料]

厚生労働省『毎月勤労統計調査』