年々教育費がかさんでいく…親の介護を理由に仕事は辞められない
石川久美子さん(仮名・50歳)。実家でひとり暮らしをしていた母・幸子さん(仮名・75歳)が自宅前で転倒し、大腿骨を骨折。退院後、トイレや入浴、服の着替えなどに全面的な介助が必要となり、自力で立ち上がったり歩いたりすることができなくなりました。
母の介護はどうするか……兄弟姉妹で話し合ったものの、現実的に、一番実家から近い家(車で20分)に住む長女・久美子さんが、ときに泊まり込んで介護をすることに。ただ仕事をしながら親の介護をするのは、想像以上に大変なこと。介護休暇や時短勤務などを駆使しても、仕事と親の介護の両立は難しく、退職も頭によぎったといいます。
――上の子が大学生になって、ますます教育費がかさむようになりました。夫だけの収入では、下の2人の子どもには「大学は諦めなさい」と言わざるを得ない……親の介護を理由に、仕事を辞めるわけにはいかないんです
幸子さんと子どもたちで話し合い、老人ホームへの入居を検討するように。ただ幸子さんの月々の年金は12万円、手取りにすると10万円強。預貯金などを鑑みると、民間の老人ホームは難しい。そこで候補にあがったのが特別養護老人ホーム、いわゆる特養でした。
――ただ長い人だと1年くらい待つといわれて……目の前が真っ暗になりました
厚生労働省『特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)』によると、特養の待機者は全国で25.3万人。そのうち在宅で順番待ちをしているのは10.6万人でした。最も待機者の人数が多いのは「東京都」で2万1,495人。「神奈川県」1万4,238人、「兵庫県」1万1,534人、「大阪府」1万0,687人、「千葉県」1万0,663人と続きます。
特養の入所待ちは近年解消傾向にあるといわれていますが、都市部ではまだまだ多くの人が待機街をしている状況。その最大の要因は、入居費用。公的な施設である特養は民間の施設に比べてリーズナブル。厚生労働省は、1ヵ月あたりの自己負担額の目安として、要介護5の人が多床室を利用した場合は約10万4,200円、ユニット型個室の場合は約14万1,430円としています。
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