(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産の売却を検討している方で、「専属専任媒介契約」での依頼を検討している方もいるのではないでしょうか。専属専任媒介契約は、1つの不動産会社のみに売却活動を一任することで不動産会社の積極的な販売活動が期待できる一方で、売主側に強い拘束があるため、基本的な知識をしっかりと理解しておくことが大切です。本コラムでは、専属専任媒介契約の特徴や、メリット・デメリット、専属専任媒介契約が向いている人・向いていない人の特徴を、わかりやすく解説します。

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専属専任媒介契約の特徴

専属専任媒介契約の特徴を簡単にまとめると、次のようになります。

 

  • 同時に他の不動産会社と媒介契約を結ぶことはできない
  • 自己発見取引もできない
  • 契約期間は3ヵ月以内(自動更新不可)
  • 不動産会社は契約締結後5営業日以内にレインズに登録しなければならない
  • 不動産会社は1週間に1回以上、売却活動の進捗状況を報告しなければならない

 

このように専属専任媒介契約は、売主および不動産会社の双方に強い制限を課す形態であり自由度が低いため、一見すると使い勝手が難しい形態のようにも思えます。しかし、専属専任媒介のメリットも多く、この形態だからこそ成約に結びつくという例もあります。

 

そのため、専属専任媒介契約の特徴をしっかりと把握したうえで、メリットとデメリットを慎重に比較するようにしましょう。

専属専任媒介契約のメリット

「MERIT」と書かれたブロック
(画像:PIXTA)

 

専属専任媒介契約は売主と不動産会社に対し、制限のある契約形態ですが、場合によっては双方に大きなメリットをもたらす形態でもあります。

 

以下からは、専属専任媒介契約の特徴とメリットについて詳しく解説します。

 

不動産会社の高い販売意欲を期待できる

専属専任媒介契約では、契約した不動産会社が独占的に物件を取り扱うことができ、売主自身による買主の発見ができる、いわゆる自己発見取引も認められていないことから、不動産会社は確実に仲介手数料を獲得することが可能です。

 

一般媒介契約では複数の不動産会社が関わることができることから、各社の取り組み意欲が分散してしまう可能性があります。また、専任媒介契約でも自己発見取引が認められているため、不動産会社のモチベーションが専属専任媒介ほど高くならない場合もあります。

 

専属専任媒介契約であれば、不動産会社の販売意欲が最大限に高まり、リソースを最大限に活用した売却活動を期待できます。

 

迅速な売却活動を期待できる

専属専任媒介契約では、契約締結から5営業日以内にレインズに登録することが義務づけられています。レインズ登録により、全国の不動産会社に物件情報が公開され、より多くの購入希望者にアプローチすることが可能です。

 

また、契約期間の上限が3ヵ月と定められていることから、不動産会社は限られた期間内で成果を出すために、迅速な売却活動を展開します。さらに、不動産会社の販売意欲が高いこともあり、物件の価格設定から内見対応、購入希望者との交渉まで、すべてのプロセスがスピーディーに進められることが期待できます。

 

これらの点から、早期売却を希望している人にとって、専属専任媒介契約は最適な選択肢となるでしょう。

 

不動産会社と綿密な情報共有ができる

専属専任媒介契約では、不動産会社に1週間に1回以上の業務報告義務が課せられています。この定期的な報告により、売り手は物件の売却状況や市場の反応、内見者からの評価などについて、詳細な情報を得ることができます。

 

専任媒介契約と比べて報告の頻度が高いため、市場環境の変化に応じた価格調整や、販売戦略の見直しなども、よりタイムリーに検討することが可能です。また、不動産会社との密なコミュニケーションを通じて、売却に関する不安や疑問点を随時解消することもできます。

 

このように専属専任媒介契約は、売却活動を特定の不動産会社に一任するかわりに、売却プロセスの透明性を高め、売り手に安心感を提供する契約形態となっています。特に不動産取引の経験が少ない人や、売却状況を細かく把握したい人にとって、頻繁な売却活動状況報告は大きなメリットとなるでしょう。

 

売却に関する窓口を一元化できる

専属専任媒介契約では、売り手は1社の不動産会社とのみ契約を結び、自己発見取引も認められていないため、すべての売却活動がひとつの窓口に集約されます。このため、売却活動に関する情報がすべて担当不動産会社に一元化され、効率的な売却活動が可能となります。

 

例えば、物件への問い合わせや内見希望、購入検討者からの反応など、あらゆる情報が一つの不動産会社に集まることで、市場での評価や適正価格の判断がより正確になります。また売主自身も1社のみのやりとりになるため、複数の不動産会社と連絡を取る手間が省け、スケジュール調整なども容易になります。

 

ただし、この一元化のメリットを最大限に活かすためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが極めて重要です。実績や評判、対応の丁寧さなどをしっかりと確認したうえで、契約を結ぶことをおすすめします。

 

不動産会社によるサービスを受けられる

専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社からさまざまな付帯サービスを受けられる可能性があります。例えば、売却前のハウスクリーニングや、不用品の処分、簡単な修繕などのサービスを無料または割引価格で提供してくれる不動産会社もあります。

 

これらのサービスは必ずしもすべての不動産会社が提供しているわけではありませんが、専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合には、一般媒介契約と比べてサービスを受けられる可能性が高くなります。これは、不動産会社にとって独占的な取引となるため、より充実したサービスを提供する余地があるためです。

 

また、売却が完了するまでの間、定期的な空室確認や住宅設備のメンテナンスなど、きめ細かなサポートが提供されることもあります。ただし、具体的にどのようなサービスが受けられるかは不動産会社によって異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。

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