(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産の売却を検討している方で、「専任媒介契約」で依頼を検討している方もいるのではないでしょうか。媒介契約は、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介と3種類ありますが、初めて不動産売却をする人におすすめされることが多いのは専任媒介契約です。しかし、特徴を理解していないと売却までに時間を要してしまう場合もあるため、基本的な知識をしっかりと理解しておくことが大切です。本コラムでは、専任媒介契約の特徴や、メリット・デメリット、専任媒介契約が向いている人・向いていない人の特徴をわかりやすく解説します。

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専任媒介契約の特徴

専任媒介契約の特徴を簡単にまとめると、次のようになります。

 

  • 同時に他の不動産会社と媒介契約を結ぶことはできない
  • 自己発見取引ができる
  • 契約期間は3ヵ月以内(自動更新不可)
  • 不動産会社は契約締結後7営業日以内にレインズに登録しなければならない
  • 不動産会社は2週間に1回以上、売却活動の進捗状況を報告しなければならない

 

このように専任媒介契約は、売主自身による売却活動の自由度を残しながら、不動産会社による売却活動も期待できる形態です。このことから、特に不動産取引の経験が浅い人を中心に、多くの取引で活用されています。

専任媒介契約のメリット

「DEMERIT」と書かれた黒板
(画像:PIXTA)

 

専任媒介契約は、自由度が高い一般媒介契約と、制限のある専属専任媒介契約の中間のような形となっており、おすすめされやすい媒介契約でもあります。

 

以下からは、専任媒介契約の詳しい特徴やメリットを詳しく紹介します。

 

自分で買主を探すこともできる

専任媒介契約の大きな特徴として、売主自身による買主の発見、いわゆる自己発見取引が可能です。

 

すでに物件の購入を検討している知人がいる場合や、SNSや地域のコミュニティなどを活用して独自に買主を見つけたい場合、非常に有効な選択となります。

 

不動産会社への仲介手数料は成功報酬になるため、専任媒介契約を結んだあとに自己発見取引により不動産を売却する場合、不動産会社に仲介手数料を支払う必要はありません。しかし、売主の依頼によって特別な広告を行ったり、遠方への物件調査費用が発生したりした場合には、通常の仲介業務の範囲を超えているため、営業経費の支払いを求められることがあります。基本的な売却活動にかかる費用や人件費は仲介手数料に含まれます。どこまでの費用が仲介手数料に含まれるかは、契約を結ぶ前に契約内容の確認を行いましょう。

 

このように、専任媒介契約は不動産会社による仲介サービスを受けながらも、売主の主体的な売却活動の自由度を確保できる契約形態となっています。

 

積極的な売却活動を期待できる

専任媒介契約では、1社のみと契約を結ぶため、契約を結んだ不動産会社が独占的に物件を取り扱う権利をもちます。そのため、不動産会社側が責任をもって売却活動に取り組んでくれることが期待できます。

 

具体的には、物件の価格査定から、写真撮影、物件資料の作成、広告掲載、内見対応まで、一貫した販売促進活動を期待できます。また、不動産会社独自の顧客ネットワークを活用して、購入見込み客への積極的な営業活動も行ってくれるでしょう。

 

さらに、早く売却できるように、リフォームのアドバイスや、価格交渉時の専門的なサポートなどを受けられることもあります。専任媒介契約では、不動産会社との二人三脚で効率的な売却活動を進めることが期待できます。

 

必ずレインズに登録される

不動産会社は、専任媒介契約の締結から7営業日以内に、物件情報をレインズに登録しなければなりません。一般媒介契約ではレインズ登録は不動産会社の任意となっており、専属専任媒介契約では契約締結後5営業日以内の登録が義務づけられています。

 

レインズへの登録により、契約を結んだ不動産会社以外の業者も物件情報を確認できるようになるため、より多くの購入検討者に物件情報が届きます。

 

ただし、プライバシーを重視する場合や、あまり知られずに売却を進めたい場合には、この強制的な情報公開がデメリットとなることもあります。例えば、賃貸中の物件や、職場に知られたくない場合には注意が必要です。

 

連絡窓口を一元化できる

専任媒介契約では、不動産取引の窓口がひとつの不動産会社に集約されるため、売主の負担を軽減することができます。

 

一般媒介契約では複数の不動産会社と契約を結ぶことが可能ですが、その分だけさまざまな業者からの問い合わせや連絡対応に追われることもあります。一方、専任媒介契約であれば、契約を結んだ不動産会社が、購入希望者側(不動産会社を含む)との連絡を一手に引き受けてくれます。

 

そのため、売主は契約を結んだ不動産会社とだけやり取りすれば良く、日々の業務や生活に支障をきたすことなく、スムーズに売却活動を進めることができます。特に、不動産の取引に不慣れな方や、仕事などで多忙な方にとって、この連絡窓口の一元化は大きなメリットとなるでしょう。

 

進捗状況の報告を受けられる

専任媒介契約を結んだ不動産会社には、宅建業法により、2週間に1回以上の報告義務が課せられます。この定期的な報告により、売却活動の進捗状況を詳しく把握することができます。

 

報告内容には、物件の問い合わせ状況、内見希望の件数、実際の内見回数、購入検討者からの反応や要望など、具体的な売却活動の状況が含まれます。また、売却予定の物件についてだけでなく、市場動向や周辺相場の変化について情報提供を受けられることもあります。その結果、必要に応じて価格の見直しを行うなど、適切な判断が実現できます。

 

このように、不動産会社から定期的に専門的な視点からの情報提供を受けられることで、売主は定期的に売却活動の現状を把握し、より戦略的な売却活動を展開することが可能です。

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