高齢者にとって安心・安全な住まいとして有力な選択肢になる老人ホーム。ひと昔は「姥捨て山」というイメージでしたが、昨今は、特色ある施設が増え、ホテルライクな生活が叶うホームも。なかには「人生最後の贅沢」と、身の丈以上のホームを選択する人もいるとか。ただ全員が「大満足」というわけではないようです。
バカにしているのか!〈年金月18万円〉元教師の79歳父「口コミ評価5つ星」の老人ホームに入居も、わずか2ヵ月で退去を決めたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

家事力のない父を心配する子どもたち「老人ホーム」を勧める

50年以上連れ添った妻・紀子さん(享年77歳)を亡くした清水勇さん(仮名・79歳)。お互い教壇に立ち続け、紀子さんが定年を迎えたあとは、静かな郊外で穏やかな生活を送っていました。日中は読書やピアノ演奏、愛犬との散歩を楽しみ、夜は紀子さんの手料理を味わいながら、たまにワインを楽しむ……そんな毎日だったとか。子どもたちも近くに住んでおり、孫を連れて遊びに来てくれることを何よりも心待ちにしていたといいます。

 

しかし、半年前に紀子さんが他界し、勇さんは深い悲しみに沈みました。子どもたちが心配したのは、家事全般を母(紀子さん)にまかせていた父(勇さん)が、この先、ひとりで生活していけるのか。たびたび家に訪れては、今後の生活について何度も尋ねてきたといいます。勇さんは「一人でやっていく」と答えるばかりでした。子どもからの細かい指摘に対し、感情的になり「構わないでくれ!」と叫んでしまうこともありました。

 

それでも子どもたちはたびたび家を訪れては、いろいろな提案をしてきます。「同居をしない?」「お手伝いさんを雇ってみたら?」……そして「老人ホームはどうかな?」

 

今どきの老人ホームはロケーション自慢だったり、料理自慢だったりと、ひと昔のイメージとは違うらしいというのです。勇さん、少し興味が湧き、まずはインターネットでどのような老人ホームがあるのか、子どもたちと検索してみました。そこで気になったのが「ホスピタリティが自慢の老人ホーム」というもの。いくつかの老人ホームが紹介されていましたが、そのなかに自宅から車で1時間もかからない距離のホームがありました。口コミ評価は5つ星。写真をみてみると、リゾートホテルのような設備が整い、入居金もそれなり。月額費用は28万円と、これもまた高額です。「安心して暮らせることが最優先」と、見学予約を申し込み、子どもたちと見学に行くことに。

 

建物は新しく、緑豊かなロケーションに魅力を感じました。居室も広々としていて、暮らしやすそうです。何よりも、見学時の対応が丁寧で好感をもったといいます。懸念だった費用も、月20万円ほどの年金と貯蓄で何とか払うことはできる……と思い切って入居を決断しました。

 

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