少子化が進む一方で、大学への進学率は過去最高の記録を更新。これからは大学全入時代といわれています。しかし大学に進学するにはタダとはいきません。経済的に苦しいのであれば奨学金を利用して、という考えもありますが、そこまでして大学に行く必要があるのでしょうか。
年金15万円・71歳ひとり暮らしの母「年寄り扱いするな!」と威勢がよかったが…半年ぶりの帰省で目の当たりにした「変わり果てた姿」に43歳息子、絶句 ※写真はイメージです/PIXTA

半年の間に母親を襲った不幸…孤独感に押しつぶされ

父親が亡くなったあと、悦子さんは気丈に振る舞っていましたが、そのあと、近所の幼馴染と親友が相次いで亡くなったのだとか。以前から交友関係が広いとはいえない悦子さん。身近な人が相次いで亡くなったことで、大きな孤独感に襲われたといいます。そしてだんだんと生きるのがツラくなったり、何もやる気が起きなくなったりして、今に至る、ということでした。

 

内閣府『令和6年版高齢社会白書』では、65歳以上の高齢者の孤独感に関して言及しています。調査によると、65歳以上の高齢者のうち、親しい友人や仲間が「たくさんいる」と答えた人の割合は7.8%で、2018年の24.7%から大幅に減少しています。このことは、特に一人暮らしの高齢者において顕著です。また人と話をする頻度が「毎日」と答えた人の割合は、前回調査の90.2%から17.7ポイント減り、72.5%となりました。ひとり暮らしの高齢者が増えるなかでのコロナ禍。私たちはすでに日常を取り戻したと思っていますが、人付き合いが制限されたまま、元に戻ることができていない高齢者も多いようです。

 

そもそも高齢者は、「家族との死別」や「心身の重大なトラブル」によって、孤独感を持ちやすいもの。そこにひとり暮らしという状況が重なると、より大きな孤独感となり、押しつぶされてしまうことも。

 

このあと、悦子さんを病院に連れていった小林さん。うつ傾向にあると診断されたといいます。このまま母親をひとりにはできない。かといって東京に連れていくのはどうか。知らない土地で、余計にストレスを感じてしまわないか……。いろいろと悩んだ末、施設に入居を決めた悦子さん。夫や友人たちの穴を埋めることはできませんが、毎日話をするような友人もできたといいます。

 

――近くに住んでいれば、こんなことにはならなかったのかもしれませんが……難しいですね

 

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[参考資料]

内閣府『令和6年版高齢社会白書』