経済産業省が発表する「中小企業白書」によると、2022年時点での起業者数は約466万人となっています。起業の理由はさまざまですが、もともと会社員だった場合、独立後は「年金」に注意が必要であると、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPはいいます。Aさんの事例をもとに、年金未納を続けた場合の「末路」と納付できない場合の対策についてみていきましょう。
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年金なんて払うだけムダ…〈年金制度崩壊〉を信じてやまない「年収800万円・貯金2,000万円」55歳個人事業主の末路【FPの助言】
とはいえ、納めるお金が無い…“救済策”は?
収入が少ないなど、なんらかの事情により年金保険料が払えない場合は、滞納するのではなく、役所で免除の手続きを行いましょう。
「保険料免除制度」は、本人や世帯主、配偶者の前年所得が一定額以下である、または失業した場合に申請することができます。申請書を役所に提出し承認された場合、所得に応じて保険料の「全額」「4分の3」「2分の1」「4分の1」が免除されます。
また、免除期間の保険料については、10年間の追納が認められています。したがって、免除申請が遅れても、10年の期間内であれば遡ってあとから納付することが可能です。
Aさんは知り合いのFPや税理士に赤い封筒が届いたことを伝え、「本当に財産を差し押さえられるのか?」「年金保険料を支払うべきか?」と確認してまわりました。すると、専門家たちは口をそろえて「当然、いますぐ支払ってください」といいます。
「このまま払わなくても大丈夫だよ」という人は1人もおらず、Aさんは渋々、年金保険料を納めました。「まさか、保険料を滞納したくらいで財産を差し押さえられることになるなんて。でも、今後もリフォームの仕事を続けるためにも、払っておくか……」Aさんはなんともいえない気持ちです。
しかし、人生100年時代といわれる昨今、亡くなるまで受け取ることのできる国民年金は老後の貴重な収入源となります。年金制度については“噂”を信じるのではなく、正確な情報を知り、上手に活用しましょう。
武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役
