中学受験を突破しても熾烈な競争は終わりではなかった…
――息子には、バラ色の中学生活が待っているはずだった
そう肩を落とす池田さん。第一志望に合格したものの、そこには思い描く未来はなかったといいます。中学入学後、初めての試験。翔太さんは苦戦し、下位グループに甘んじたといいます。それまで小学校でも、塾でも上位グループの常連でしたが、偏差値70超の秀才たちが集まっているなか、それでも順位はついてしまいます。翔太さん、初めての挫折でした。
学業の負担が非常に大きく、成績はなかなか上へ行くことができず、ある程度のところで順位は固定してしまった感がありました。努力しても努力しても……翔太さん、大きな挫折を味わうことになったのです。
さらに、勉強に必死になっているなか、ふとクラスに馴染めていないことに気づいたといいます。どこか置いてけぼりにされている、どこか疎外感を覚える……徐々に孤立を深めることになったといいます。
ただ翔太さんのそんな悩みに、池田さんは気づくことができませんでした。生徒のほぼ全員が内部進学できる――そんな安心感があったのでしょう、翔太さんの中学生活への関心は薄かったといいます。
そんなある日、翔太さんは不登校に。池田さんはやっと翔太さんの胸のうちを知ることになったといいます。
――ショックでした。そんな思い詰めているなんて。「お父さんと、お母さんが行かせたかった学校で、別に僕が行きたかった学校じゃない! 中学受験なんて、しなきゃよかった!」といわれました。親、失格ですよ。中学受験なんてさせなければよかった……
文部科学省『令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』によると、中学校における不登校生徒数は21万6,112人。そのうち私立中学校では8,120人で全生徒数の3.2%に当たります。また私立中学校における不登校生徒において、成績不振などがみられたのがおよそ20%弱、友人関係等について問題があったのが10%強ありました。
【私立中学校・不登校生徒について「把握した事実」】
生活リズムの不調に関する相談があった…31.9%
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった…26.2%
不安・抑うつの相談があった…25.2%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた…18.8%
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった…12.3%
現在、親子、学校、さらにカウンセラーを交えて、一番いい選択は何なのか、話し合っているといいます。
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