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不動産投資は将来的な資産形成に活用できる投資方法の一つです。一方で、「不動産投資に興味はあるけれど失敗したくない」と不安に思う人も少なくありません。そこで本コラムでは、不動産投資で失敗した事例とその末路、失敗事例から学ぶ失敗するケースの特徴や失敗しないポイントについて解説します。不動産投資の失敗例を知ることによってリスクの軽減につながりますので、不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

不動産投資の失敗事例から学ぶ失敗パターン&対策6選

住宅模型を持って顎に手を当てている人
(画像:PIXTA)

 

ここまでご紹介したように「不動産投資で失敗してしまった」という事例は少なくありません。しかし、失敗事例から学ぶことで失敗するリスクを未然に防げることができます。ここでは、不動産投資の失敗事例から学ぶ失敗パターンを6つ紹介します。

 

  • 物件を相場より高く買ってしまった
  • 家賃の下落が想定以上だった
  • サブリースの家賃保証は賃料が変わらないものと勘違いしていた
  • 想定よりも空室が発生してしまい家賃収入が少なくなってしまった
  • 購入時の修繕積立金の状況や妥当性を確認していなかった
  • 書類上だけで実際に物件を確認していなかった

 

物件を相場より高く買ってしまった

不動産投資の失敗パターンの1つ目は、不動産会社の営業マンの提案を鵜呑みにし、適正価格よりも高く物件を購入するケースです。このような場合、家賃収入よりもローン返済額が多くなり、毎月のキャッシュフローが赤字に陥ることがあります。

 

さらに、売却をしようとしても当初よりも物件の価値が下がっているために売却価格でローン残債を全額返済できず、損失を抱えるリスクが高まってしまいます。

 

このような失敗を避けるためには、物件購入前に周辺の相場をしっかり調査することが重要です。具体的には、同じエリアの物件の築年数や立地、間取りなどを比較し、適正な価格であるかどうかを調査することが必要です。

 

また、営業マンの言葉を過信せず、第三者の意見や市場のデータを基に冷静に判断することが投資の成功に繋がります。

 

家賃の下落が想定以上だった

不動産会社から提案された想定賃料をそのまま信じてしまうと、実際にはそれ以上に家賃が下落してしまうことがあります。市場の変化や周辺の競争状況により、家賃が想定通りに維持できないケースは少なくありません。

 

一般的に、家賃の下落率は年率で平均1%と言われていますが、特に新築物件の場合には入居者が一度でも入居すると中古物件に分類されるために約2%近くまで下落する可能性があります。

 

そのため、家賃変動リスクを十分に考慮したシミュレーションを行うことが重要です。購入前に過去のデータや周辺の物件の賃料動向を調査し、楽観的な見通しだけでなく下落の可能性も含めてシミュレーションを作成しましょう。

 

サブリースの家賃保証は賃料が変わらないものと勘違いしていた

サブリース契約において家賃保証があると聞くと、賃料が将来的にも変わらないと誤解しがちですが、実際には注意が必要です。家賃保証が記載されている場合でも、借地借家法・第32条に従ってサブリース会社は借主として保護されます。賃料の値下げの申出や契約更新の拒絶、解約申出をすることが可能になります。

 

家賃保証とは「家賃の支払い」を保証するものであり、家賃の金額をそのまま維持するという保証ではないことを意味しています。

 

そのため、契約時に安定した家賃を保証されていたとしても、契約期間中に市場環境が変わると賃料の交渉などを受ける可能性があることに注意が必要です。

 

また、サブリース契約は貸主である不動産投資家からの解除がしにくかったり、売却時サブリース契約であることから買い手が見つかりにくく希望の価格で売却できなかったりと注意点が多いです。サブリース契約を締結する場合はしっかりと知識をつけることが重要です。

 

想定よりも空室が発生してしまい家賃収入が少なくなってしまった

不動産投資において空室リスクは避けられない問題であり、物件の立地や需要の変化によっては入居者が見つからないこともあります。空室時のリスクを軽減するためには、購入する前に賃貸需要が見込める物件か調査を行うことや日々のキャッシュフローを注視して空室が発生した際の補填ができるように資金を準備しておくことが重要です。

 

また、礼金を設定することで空室時の補填をすることができます。近隣の似ている物件で礼金が何ヵ月分に設定されているかを調査し、万が一の空室時に備えましょう。

 

購入時の修繕積立金の状況や妥当性を確認していなかった

物件は保有していると経年劣化をしてしまうため、修繕費をあらかじめ積立てることが必要です。そのため、修繕積立金が十分にあるかどうかを確認することは重要です。

 

特にマンション投資の場合、自身の投資している部屋だけでなくエントランスや共用部分を含めたマンション全体の修繕積立金を考慮する必要があります。

 

事前に専門家に相談したり周囲の似ている物件と比較したりするなど自分で調査すると共に、実際に管理費や修繕費が値上がりする可能性があるかをマンション全体の長期修繕計画で確認したり、管理組合の総会で値上げに関する決議がされているかどうかを不動産会社に聞いてみるなどしてみましょう。

 

大規模修繕など、マンションの維持管理には一定のコストが掛かるため、物件の維持管理を考える上では必要な値上げがされることは決して悪いことではなく、管理費や修繕積立金を抑えることを優先し過ぎるために建物の管理が行き届かなくなってしまうケースもあります。

 

ただし、事前に想定していない値上げが発生した場合には期待したキャッシュフローを得られなくしまうため、しっかりと事前に調査確認を行い、その上で投資することが重要です。

 

書類上だけで実際に物件を確認していなかった

不動産投資は大きな投資のため、物件の状態などの事前調査は欠かせません。購入予定の物件を内見までできることが理想ですが、中古物件など一般的には既に入居者がいることが多いために写真での確認となります。そのため、内見写真については撮影日も確認することが重要です。

 

また、内見だけでなく物件を実際に訪問することで、物件の外観や周辺環境、交通アクセスや近隣の施設などを自分の目で確かめることができます。訪問した際には外壁の劣化や清掃状況などを必ずチェックしましょう。

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