高齢者の住まいとしてニーズが高まる老人ホーム。妻に先立たれた男性の場合、「一人暮らしはしんどい」と入居を決める場合も多いとか。家族としても高齢者の一人暮らしは不安なので「老人ホームに入ってくれたら嬉しい」という声も多いでしょう。しかし、必ずしも安心というケースばかりではないようです。
70歳母・脳卒中で急死。残された〈年金月23万円〉の81歳父〈貯金2,000万円〉を元手に「老人ホームに入居」したが…3年後、ひとり娘が歯ぎしりをして「悔しがった理由」とは (※写真はイメージです/PIXTA)

老人ホーム入居3年目で起きた「まさかの出来事」

陽子さんは老人ホーム=介護を必要とする人が入る施設というイメージがあったため、茂さんから老人ホームに入居することを聞いたときは、正直、賛成できなかったといいます。

 

しかし、母が急逝して以来、生活が乱れていることを気にしてきた陽子さん。父のためになるならと、最終的に老人ホーム入居を賛成。さらに初めの面会で老人ホームを訪れたとき、洗練されたオシャレな雰囲気、イキイキとした入居者に、老人ホームへの印象はガラリと変わったとか。

 

株式会社 LIFULL seniorが1年以内に家族または親族が介護施設に入居した人を対象に行った『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』では、「介護者が介護施設に抱いていたイメージが、家族や親族の入居前後でどのように変化したか」を尋ねています。その結果は、「スタッフの対応やサービスがきちんとしている」が30.0%から36.4%に上昇するなど、ポジティブなイメージの項目はすべてが向上。一方で、「高齢者への尊厳と個別のニーズへの配慮が不十分」が10.0%から5.4%に減少するなど、ネガティブなイメージについての項目はすべてが改善しました。このことから、家族の入居によって老人ホームに対するイメージが大きく改善されるケースが多いといえるでしょう。

 

ただ茂さんの老人ホーム入居から3年、陽子さんは「やっぱり老人ホームへの入居を反対していれば」と後悔しているといいます。

 

父が老人ホームで出会った女性と結婚すると言い出したんです

 

50代にして新しい母ができ、血の繋がりのないきょうだいができる――いろいろと面倒なことが起きる可能性があります。相手方の家族も同じことを考えているでしょう。もっと慎重に考えてほしい。そのような周囲の懸念はどこ吹く風、当の本人たちは結婚に向けて盛り上がり、ついに籍を入れてしまったのだとか。

 

一瞬でも亡くなった母のことや家族の顔を思い浮かべてくれたなら、こんな軽はずみなことはしなかったはず

 

自分たちのことしか見えてない父・茂さん。一瞬でも亡くなった母や家族の顔が浮かんだなら、このタイミングでの再婚などなかっただろうに……陽子さん、歯ぎしりをして悔しがるしかないといいます。

 

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