ついこの間、11月でありながら記録的な高温を記録したと思えば、今度は記録的な低温を記録。クローゼットから急いで冬物を引っ張り出した人も多いのでは。冬本番というなか、悲壮感にあふれる高齢者の姿がありました。
今年の冬は越せないかもしれない…職を失った〈年金月5万円〉〈築50年のアパートに住む〉75歳女性が生活苦。ある日、緑色の封筒に入った「年金生活者支援給付金請求書」に涙 (※写真はイメージです/PIXTA)

市役所に相談も「働けるなら働いて」と一蹴

あまりに生活が苦しかったため、市役所に相談にいったことがあるといいます。知人から「生活保護を受けられるかもしれない」というアドバイスがあったからです。しかし木村さん、「働けるなら生活保護は無理ですね」と一蹴されたといいます。

 

――働きたくても仕事がないから相談しているのに!

 

木村さんのように「年金が少ないから」という理由で、生活保護が受けられるとは限りません。生活保護を受けるためには、働けるなら働ける能力を駆使し、資産があるなら資産を活用し、助けてくれる扶養義務者もいない……このような状態になって、初めて生活保護を受けられるようになります。高齢者であっても、働けるなら働いてください、が基本スタンスです。

 

――体を壊し、働けなくなるのを待つしか……その前に命を落とすかもしれませんね

 

そう自嘲する木村さん。そんな毎日のなかでも、少しはいいことがあったとか。そのひとつが「年金生活者支援給付金」がもらえそうだということ。これは、公的年金等の収入が一定基準以下の場合に年金に上乗せして支給されるもの。対象となるのは「①65歳以上の老齢基礎年金の受給者」「②同一世帯の全員が市町村民税非課税」「③前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれは88万9,300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの場合は88万7,700円以下であること」とすべてを満たしていることが条件です。

 

給付額は月額5,310円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出されます。

 

日本年金機構によると、新たに「年金生活者支援給付金」を受け取れる人に対しては、9月から緑色の封筒に入った「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されました。木村さんのところにも送られてきた緑色の封筒。手続きは簡単で、請求書に提出日と氏名、電話番号を記し、切手を貼ったうえで郵便ポストへ投函するだけ。

 

――12月に10月、11月分の給付金が受け取れるみたいで。2か月分で1万円ほどだけど、食費1ヵ月分なので、大きいですよね

 

冬本番前に「ありがたい、ありがたい」と繰り返す木村さん。少し前向きになれたという木村さん。とにかく仕事を見つけないとと、ハローワークに通っています。

 

[参考資料]

総務省『労働力調査』

厚生労働省『年金生活者支援給付金制度について』

 

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