親に借金を申し込んだ長女、涙ながらに語った壮絶事情
――えっ、お金!?
美里さん、家賃50万円のタワマンに住み、お受験に向けて奮闘する……世にいう「セレブ妻」といわれるような生活を送っている。それなのにお金を貸してくれなんて、何かの聞き間違いでは。そう思ったといいますが、やはり美里さんは、両親に借金を申し入れにやってきたのでした。
――ちょっと待って。きちんと説明して
池田さん夫婦は年金月26万円ほど。年金だけで十分暮らすことができ、貯金も数千万円はあります。「貸そうと思えば貸せるけど……お金を貸すにしても理由を聞かずしては貸せません。口を開くのを待っていると、大粒の涙を流しながら、絞り出すように話し始めます。
実は美里さん、夫から経済的DVを受けていました。経済的DVは、夫が収入を管理し妻に生活費を渡さなかったり、不足する額しか渡さなかったりなどのケースがあたります。美里さん曰く、仕事でのストレスが原因なのか、1年ほど前から経済的DVが始まり、状況は段々とひどくなっているといいます。さらに最近は大声で怒鳴ったり、「誰のおかげで生活できるんだ」と罵ったりと、言葉の暴力も。精神的に追い詰められた美里さんは、2人の子どもを連れて飛び出したという顛末。
しかし美里さんに逃げるという発想はなく、親にお金を借りてその場を乗り切る……そんなことを考えていたというのです。
――逃げる、別れるという発想にならないのは、問題だと感じました。状況が悪化し、何か起きてからでは遅い……だから帰らせるわけにはいかないと思ったんです
内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査」(令和5年度調査)によると、結婚したことのある人の25.1%は「配偶者から暴力を受けたことがある」と回答。身体的暴行は13.6%、心理的攻撃は18.0%、経済的圧迫は7.9%、性的強要は6.5%でした。男女別にみていくと、暴行を受けた経験があるのは女性27.5%、男性22.0%。また女性13.2%、男性7.2%は何度も暴行を受けています。
また被害を受けた人の57.1%は「別れたい」または「別れようと思った」と回答。男女別でみると、女性の66.8%、男性の41.0%が別れを選んでいます。一方で女性の2割、男性の4割は、「別れようとは思わなかった」と回答しています。
別れることなど、みじんも考えていなかった美里さん。ただ状況が非常にマズイ状態であることがわかり、子どものためにも離婚を決意。現在、協議中だといいます。
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