データで見る退場トレーダーの特徴
FXにおける大失敗を避けるには、どうすれば良いのでしょうか。FXで安定的に利益を得ている人(以下、「FX上級者」と表記)とFXをやめた人を対象に行った弊社の調査において、次のような興味深い結果が出ています[図表2]。
FX上級者にトレードルールが決まっているか質問したところ、エントリー/取引数量/利食い/損切りのいずれの局面でも、大半の人が「明確に決めている/何となく決めている」と回答する結果となりました。また、ほぼ半数が「明確に決めている」と回答しており、トレードルールを重要視している姿勢が見られます。
続いて、同様の質問をFXをやめた人に行った結果です[図表3]。
FXをやめた人についても、過半数が「明確に決めている/何となく決めている」と回答していますが、FX上級者に比べると低い割合です。特に「明確に決めている」と回答した人は、かなりの少数派となっていることがわかります。
高橋さんも、トレードルールが曖昧だったところがありました。適切なトレードルールを明確に決められるか、それをしっかり守って投資判断し続けられるか。これが、リスクを抑えながらFXに取り組んでいく上で、非常に重要な要素になると考えられます。
暴落相場を乗り切る上での5つのポイント
リーマンショック時の高橋さんのケースは、FX取引における典型的な失敗例のひとつでしょう。最後に、このような失敗を防ぎ、うまく暴落相場を乗り切るためのポイントを5つ紹介します。
1. トレードルールを明確に決める
エントリー条件・損失確定ライン・利益確定ライン・取引数量など、トレードに関するルールを具体的に決めましょう。感情的な判断を避けるため、相場が不利な方向に動いた際の対応も、冷静なときにあらかじめ決めておくことが重要です。
2. 決めたトレードルールを守る
事前にルールを決めても、それを守らなければ意味がありません。特に含み損を抱えたときに、「明日は戻るはず」という希望的観測に流されないようにしましょう。損失確定が心理的に辛い人は、逆指値といった自動で執行している注文方法を活用するのもひとつです。
3. 大きな市場動向を把握する
FXの短期トレードではチャート分析が重要になりますが、市場ニュースについても大きなものはしっかりチェックしておきたいところです。相場に関する背景情報を理解することで、ショック相場の兆候を察知したり、適切な警戒心を持って取引に臨んだりできるようになります。
4. 最悪のシナリオも想定してトレードする
リスクを抑える上で大切なのは、自分の思惑とは逆方向に相場が動いたときに適切に対応できること。ポジションを持つときは、自分が期待するシナリオだけでなく、最悪のシナリオも必ず頭に入れておくようにしましょう。
5. 暴落相場を事前に体験しておく
暴落相場では、普段にはない激しい動きが起こります。実際の暴落時に冷静に判断するためにも、シミュレーションツールやアプリを活用して、過去の暴落相場を疑似体験しておくことをおすすめします。
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FXは資産を増やすための有効な手段となり得る一方で、暴落相場で大きな損失を出してしまうトレーダーも少なくありません。上記の5つのポイントを意識して、大失敗のリスクを抑えながら、上手にFXと付き合っていただければと思います。