高齢者世帯の6割が「生活が苦しい」の現実
厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』によると、65歳以上のいる高齢者世帯において「生活が苦しい」と回答したのは60.4%。とくに未婚の子と同居する高齢者世帯で、生活苦を訴える割合が高くなっています。
【生活苦を訴える「高齢者世帯」】
■高齢者世帯全体…60.4%
・おひとり様男性…56.8%
・おひとり様女性…60.2%
・高齢夫婦のみ…56.2%
・高齢夫婦+未婚の子…64.7%
・高齢のひとり親+未婚の子…68.3%
・三世代世帯…66.4%
また公的年金を受けておる高齢者のうち、基礎年金のみの高齢者では68.3%、基礎年金に加えて厚生年金も受け取っている高齢者では58.3%が「生活が苦しい」と回答。両者には10ポイントの差が生じています。
令和6年度、老齢基礎年金の受取額は、満額で月6万8,000円。一方で、老齢厚生年金受給者の平均年金受取額は、月14万3,973円。65歳以上に限定すると、男性で16万7,388円、女性で10万9,165円*。
*厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』より
3階建ての建物に表現される日本の公的年金。当然、1階部分の基礎年金だけでなく、2階部分の厚生年金も受け取れる元会社員やサラリーマンのほうが、月々の年金受取額は大きく、そのぶん生活に余裕が生まれます。
もちろん厚生年金の受給者であっても、受取額はピンキリ。平均値である月14万円を下回る人は全体の48%。10万円未満も全体の22%と、5人に1人の水準。5万円未満も2%と、50人に1人はいる水準。厚生年金を受け取っているからといって、生活が楽というわけでは決してありません。
【厚生年金受給権者の月額受取額の分布】
5万円未満…2.06%
5万~10万円未満…20.66%
10万~12万円未満…13.51%
12万~14万円未満…11.70%
14万~16万円未満…12.17%
16万~18万円未満…13.12%
18万~20万円未満…12.01%
20万~22万円未満…8.30%
22万~24万円未満…3.98%
24万円以上…2.41%