具体的な将来像、それに向けた具体的な経済的準備ありは「日本人の4割」
生命保険文化センター『「生活保障に関する調査 2022年度』で「自分や家族の将来をどのようにしたいか、そのための経済的準備をどうしたらよいか」と、具体的な生活設計の有無を調査したところ、「生活設計あり」は39.9%。男女別・年齢別にみていくと、男性全体では40.6%、女性全体では39.3%。男性では40代が最多で46.7%、女性では50代が最多で42.5%。具体的な将来像が描けていないのか、経済的な準備ができていないのか、それとも両方なのか、わかりませんが、半数以上が「生活設計なし」という状況です。
とはいえ、将来不安、とりわけ老後に対する不安から、資産形成に対する関心は高まる一方。多くの人が多かれ少なかれ準備を進めているのではないでしょうか。
清水一昭さん(仮名・70歳)。世の中、資産形成、資産形成と騒がしだしたころには、すでに会社を定年。継続雇用制度により、とりあえず定年後も働くことを選択していました。
――うちは家内はしっかりしているから大丈夫と、何も考えていませんでした
家庭を守ってくれるパートナーがいるサラリーマンは、みな同じ調子かもしれません。ただ唯一、清水さん自身が将来のことを考えて選択したのが、「年金の繰下げ受給」だったといいます。
――定年を過ぎたあたりから、いつから年金をもらうか、という話を仲間内でも結構するんですよ。そこで繰下げ受給のことを知って、もし65歳以降も働いていたら、給与で生活はできるだろうから、年金は後回しでいいかなという話になって。家内とも相談して、家内は65歳から、自分は仕事の状況に応じて成り行きで受け取るようにしよう、という話になりました
老齢年金は原則65歳からの受給ですが、60~64歳の希望尾するタイミングに繰り上げて受給(繰上げ受給)したり、66~75歳の希望するタイミングに繰り下げて受給(繰下げ受給)することができます。繰下げ受給では、1ヵ月受給開始を遅らせるごとに0.7%の増額。最大84%に増額となることから、受給額を最大化させたいと思っている人たちに選ばれているスタイルです。