2.大きな時間軸を意識できていない
2つ目の要因には、相場を客観視できていないということが挙げられます。相場を客観的に分析してトレード判断をすることは、トレーダーの基本条件といえるでしょう。
たとえば、直近のトレードで損切りが続いてしまっているトレーダーは、なんとしてでも次のトレードで利益を残したいという感情に支配され、目の前の価格変動にしか注意が向けられないことがあります。その結果、無意識的にトレンドに逆張りしたり、トレンドの転換に気づけないままズルズルと損切りを続けたりしてしまうのです。トレードで大切なことは、定期的に相場全体の流れを確認するために長期足でチャートを確認することなのです。
3.狭すぎる損切り幅を設定している
最後の要因は、トレードの際に設定する損切り幅が狭すぎるということです。損切りをするときは最小限にしたいと思うのが、トレーダーとして普通の考えでしょう。もちろん、損切りを最小限に収めることは、トータルの利益を最大化するために必要な考え方ですが、狭すぎる損切り幅の設定は逆に機会損失を招く可能性を高めます。
チャートのボラティリティは一定ではありません。値動きが激しいときもあれば、値動きが緩やかなときもあります。値動きが小さい相場では問題ありませんが、損切りの幅を狭くすると、ボラティリティが高い相場では一時的な値動きに巻き込まれて簡単に損切りを被ります。相場の動きに合わせたポジション管理ができるようになると、普段のトレードの勝率が高くなるでしょう。
闇雲にトレードする前に
今回は、積み上げてきたテクニカル分析が通用しなくなり、トレードに自信を失くしてしまう初心者トレーダーを例に、トレード中に注意すべき要素を3つ紹介しました。多くのトレーダーは頭ではわかっていても、損切りが何度も重なってしまうと判断能力が鈍ってしまいます。損切りが重なり、自分が闇雲にトレードしているという実感を得られたときにはすぐにトレードを中断し、自己を客観的に見直すべきでしょう。いつでも論理的に考えることこそ、プロトレーダーに求められる資質なのです。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント
執行役員