65歳退職サラリーマン、「年金で暮らすなんて甘い話だった」
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、中小企業で働く高卒サラリーマン(平均年齢47.0歳)の平均給与は月収で30.1万円、賞与も含めた年収は456.1万円です。
【年齢別「高卒・中小企業サラリーマン」の平均給与】
~19歳:19.2万円/257.5万円
20~24歳:22.0万円/331.8万円
25~29歳:24.7万円/377.1万円
30~34歳:27.1万円/416.8万円
35~39歳:29.1万円/451.4万円
40~44歳:31.1万円/481.0万円
45~49歳:32.6万円/498.8万円
50~54歳:33.5万円/510.9万円
55~59歳:33.4万円/501.9万円
60~64歳:29.9万円/431.7万円
仮に今の平均給与で計算すると、老齢厚生年金は月9.58万円。併給の老齢基礎年金と合わせると月16.3万円ほどになります。
――月16万円!? そんなにもらってない。それより2万円ほど少ない
退職直前の月収は30万円を下回る程度だったというので、最近は平均的な給与だったと思われますが、46年間のサラリーマン人生のなかでは「給与がもらえるだけよかった」と、苦しい時期もありました。平均さえも下回ることもあったのでしょう。それが年金受給額にダイレクトに反映されています。
さらに老齢年金は雑所得扱いで課税対象。老齢年金の実際の受取額は額面の85~90%程度といわれているので、山崎さんは月12.1万~12.8万円程度を手にしていると考えられます。
――平均以下だったかもしれないけど、45年以上も頑張って働いてきたんだ。だから年金で暮らせると思っていたよ。でも甘い考えだったな
内閣府『生活設計と年金に関する世論調査』によると、「老後は全面的に公的年金に頼る」という人は26.3%。「公的年金中心とし個人年金や貯蓄等組み合わせる」53.8%と合わせると8割ほどとなり、高齢者の生活の中心は公的年金といえます。それだけに、実際に年金を受け取り始めたときのやるせなさは、すべての人に共通なのかもしれません。
[参考資料]