公的年金が家計ベースとなる高齢者。依存度が高ければ高いほど、生活に困窮。明日さえも見えなくなるなか、ある日、日本年金機構から届く「緑色の封筒」があります。「郵便物なんて、まとめてポイっ」という人でも、これは開けるべき封筒です。
時給1,200円で働いていた「69歳おひとり様男性」、手足のしびれで失業。生活苦のなか日本年金機構から届いた「緑色の封筒」に救われたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者「健康なうちは働きたい」と願うも…

総務省によると、2023年の65歳以上の就業率は25.2%。年齢別にみていくと、「60~64歳で74.0%、「65~69歳」で52.0%、「70~74歳」で34.0%、「75歳以上」で11.4%でした。

 

長寿化が進むに従い、働く高齢者が増えています。働く理由はさまざまですが、「健康なうちは働きたい」と考える人も多いようです。

 

しかし、年を重ねれば当然、健康リスクも上昇します。厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、病気やけが等で自覚症状のある人(有訴者)は人口1,000人当たり276.5(数にすると、3,380万人)。これを有訴者率といいますが、60代で321.4、70代で408.4、80代以上で492.7と、当然、年齢があがるにつれて上昇していくのです。

 

たとえば腰痛。有訴者に「最も気になる症状」を尋ねた際に「腰痛」と回答したのは487.1万人。そのうち65歳以上は278.9万人でした。

 

 

【65歳以上の「有訴者数」最も気になる症状】

・肩こり:213.4万人/59.9万人

・腰痛:487.1万人/278.9万人

・手足の関節が痛む:269.2万人/162.2万人

・手足の動きが悪い:91.6万人/71.7万人

・手足のしびれ:110.2万人/71.3万人

※数値左より、有訴者全体/65歳以上の有訴者数

 

警備員として働いていた田中豊さん(仮名・69歳)。時給1,200円で月18万円ほどの収入。年収にすると200万円強だったとか。

 

――ずっと低空飛行のまんまだけど、仕事があるだけありがたいな

 

と田中さん。いろいろと訳ありのようですが、それでも今、仕事があり、収入を得られているのは幸せなことだと話していました。

 

すべて過去形で話している通り、これは昔の話。田中さん、手足のしびれがヒドクなり、とても仕事にならないと、1年ほど前に失業していました。