8月から続いた米不足。「令和の米騒動」ともいわれ、話題を呼びました。騒動は落ち着きをみせるものの、米の価格は高止まり。米に限らず物価高は、特に年金を収入の柱として暮らす高齢者への影響が大きいようです。本記事では、Aさんの事例とともに、物価高に苦しむ高齢者への救済措置についてCFPの伊藤貴徳氏が解説します。
米が高すぎる。命日にお供えもできない…白米好きの71歳夫死去→年金が月1桁万円に減額。「無念の71歳妻」に届いた、年金機構からの「緑の封筒」の中身【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本年金機構から届く「緑色の封筒」

ある日、Aさんの自宅ポストに薄緑の封筒が入っていました。封筒には大きく「日本年金機構」と書いてあります。

 

「年金生活者支援給付金」とは?

近年の物価高騰は、多くの人々にとって生活費の圧迫の1つとなっていますが、特に固定収入である年金に頼って生活している高齢者にとって、その影響は大きいといえます。


このような状況を少しでも緩和するために、年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」という制度があります。


「年金生活者支援給付金」とは、年金受給者のうち所得が一定以下等の条件を満たす方に対して、生活の支援として追加で給付金が支給される制度です。この制度は、特に所得が少ない高齢者を支えることを目的としています。給付額は原則、月額5,310円となっています。

 

「緑色の封筒」が届く理由

年金生活者支援給付金を受け取るためには、申請が必要です。しかし、すべての年金受給者が自分が対象かどうかを知っているわけではありません。そこで、日本年金機構は、該当する可能性がある年金受給者に向けて、案内を送ります。その際に下記のような「緑色の封筒」を使用しています。

 

出所:少し検索してみましたが同一の画像が見つからなかったので筆者作成かもしれません。
年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒 出所:日本年金機構

 

この緑色の封筒には、年金生活者支援給付金の申請手続きについての詳細な説明や、申請書類、申請期限などが含まれています。申請書類を返送するだけで手続きを進めることができます。

給付金を受け取る条件

年金生活者支援給付金を受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下のとおりです。

 

1.老齢基礎年金を受給していること

給付金は、老齢基礎年金を受け取っている人が対象となります。

 

2.所得が一定額以下であること

年金とその他の所得が一定以下であることが条件です。具体的な所得額は、その年の基準によりますが、一般的には生活が困難とされる水準に設定されています。

 

3.市町村民税が非課税であること

住民税が課税されていないことも給付金を受け取るための条件の1つです。

 

この条件に該当する場合、申請することで支給を受けることが可能です。申請しないと受給することはできないので注意が必要です。緑色の封筒が届いたら、内容を確認し早めに手続きを進めましょう。