夫婦ともども公務員で無借金、さらに、申請したローンの金額はまったく無理のない範囲……にもかかわらず、住宅ローンを申し込んだ結果「謝絶」となってしまうケースが存在します。いったいなぜなのでしょうか。株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが、ローン申込時に注意したい「信用情報の落とし穴」について解説します。
いや、冗談でしょ? 世帯年収1,200万円・無借金の40代公務員夫婦「住宅ローン4,500万円」を申込…“属性最強”に銀行員もニコニコ→後日〈謝絶〉となったまさかの理由【FPが警告】 (※写真はイメージです/PIXTA)

いや、冗談でしょう?…住宅ローン「謝絶」のワケ

銀行員「誠に残念ですが、弊行ではお貸しできかねます」

 

Aさん「えっ……。いや、冗談でしょう? 新卒から公務員としてまじめに働いて、なにより借金もないんですよ? なのにどうして」

 

Aさんはなんと、4,500万円の住宅ローンの契約を断られてしまったのでした。謝絶理由を教えてもらうことはできませんでしたが、一般的に考えられるのは収益不動産用のローンやカーローンなどの借入、家賃やクレジットカードの延滞、口座引き落としの遅れなどがあることだそうです。

 

しかし、Aさんには借り入れがありません。一体どうしてなのか混乱していると、妻がいまにも消え入りそうな声で「もしかして、クレジットカードでの買い物も関係しますか?」と質問しました。

 

「カードを利用して買い物をされて、その支払いが滞っていたら可能性はあります」と銀行員。

 

Aさんは「まさかお前、支払いができていなかったのか!?」と驚きを隠せない様子です。

 

以前、テレビでポイ活の特集を見ていたAさん夫婦は、クレジットカードのポイント還元で得することを知りました。Aさんが使っていたクレジットカードはポイント還元率が悪いものであったため、還元率の良いカードを新しく作成し、Bさんが使うことに。このカードの名義人はAさんです。

 

しかし、新しいクレジットカードの支払いは給与が入金される口座とは別の口座に紐づいていたため、振り込みを忘れ、何度も返済を遅らせてしまっていました。Bさんは催促状を受けてやっと支払いに行っていたようです。

 

また、金融機関からAさんの携帯へ連絡が来たこともありましたが、知らない番号だったため電話に出ることはなく、遅延についてAさんは知らないままでした。

 

こうして、Aさん名義のカードの支払いが繰り返し遅延していたことにより、Aさんの信用情報に傷がついてしまったのでした。まさか、クレジットカードの返済が滞ることで信用情報に傷がつくとは……楽観的な性格のBさんは、支払いの延滞について深刻に考えていなかったと、涙ながらに謝りました。