老後の生活のベースになる老齢年金。いくらもらえるかによって、資産形成をどのように進めるかも変わってくるでしょう。そのため、予め受給額を想定しておくことは重要です。しかし、実際に受給するようになってから「あれっ、思ってたよりも受給額が少ない……」という事態に直面することは多いもの。果たして「年金が減額となる」理由とは?
月15万円もらえるはずが…65歳の元サラリーマン「ねんきん定期便」の確認を忘れ〈年金減額〉に直面「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「将来、年金はいくらもらえるか」…計算式で確認

老後の生活のベースとなる老齢年金。国民年金に由来する老齢基礎年金と、厚生年金に由来する老齢厚生年金があります。

 

最大の関心ごとは、一体いくら受け取れるのか、ということですが、それぞれ以下の計算式で受給額を求めることができます。

 

【老齢基礎年金】

「満額受給額」×「保険料納付月数」/480

【老齢厚生年金】

■加入期間が2003年3月まで

「平均標準報酬月額(≒平均月収)」×7.125/1000×「2003年3月までの加入月数」

■加入期間2003年4月以降

「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)」×5.481/1000×「2003年4月以降の加入月数」

 

老齢基礎年金の満額受給額は今年度は6万8,000円。保険料納付月数が1ヵ月足りないごとに約141円が減額される計算です。

 

老齢厚生年金の平均受給額は、併給の老齢基礎年金と合わせて平均月14万4,982円。65歳以上男性に限ると月16万7,388円、65歳以上女性で月10万9,165円です。

 

さらに老齢厚生年金は「経過的加算」も。これは1986年4月に老齢基礎年金制度ができ、その前後の差額を埋めるため設けられた制度。厚生年金加入者が65歳以降に受け取る年金額の算出法が変わったことで老齢基礎年金部の金額が小さくなることとなり、その差額を補うために加算されます。65歳以上の老齢厚生年金に加算される年金なので、老齢基礎年金だけを受け取る人は対象外です。

 

計算式である程度将来の受給額を求めることができる老齢年金ですが、このような計算をしなくても、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で将来の受給額を知ることができます。50歳未満と50歳以上で記されている受給額は異なり、50歳未満については、これまでの加入実績に基づく受給額。50歳以上は、これからもその時点と同様に保険料を納付し続けた場合の受給額。まったく合致する、というものではありません。しかし、ライフプランを考えるのに、大いに役に立つものなので、毎年1回くらいはしっかりと見ておきたいものです。