がんはお金がかかるというイメージが強い人も多いでしょう。ただ、具体的にどのようなところでどの程度お金がかかるのかは意外と知られていないかもしれません。本記事では小林さん(仮名)の事例とともに、がんに備えるための保険の注意点について、株式会社ライフヴィジョン代表取締役のCFP谷藤淳一氏が解説します。
3人の子を寝かせたあと、押し寄せる途方もない不安…40歳パート主婦、年収750万円の40歳夫が「悪性リンパ腫」に。がんがなければ絶対に気づかなかった驚愕事実【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

保険料が免除されるオプション

傷病手当金の受給となるといままでよりも家計収入が減り、家計の見直し、節約を考えることも少なくありませんが、家計の見直しとなるとその対象としてあがってくるのが保険の見直し、解約です。ただがんのような重い病気のケースにおいて、保険を見直し、解約することには大きな抵抗があります。

 

そういったときのために各生命保険商品にオプションとして付帯する『保険料払込免除特約』が存在します。これはがんの診断を受けた場合に、それ以降の保険料が免除になり保障はその後もいままでどおり継続していくという内容のものが一般的です。 

 

保険というと病気などアクシデントがあったときにお金を受け取るものというイメージがあるかと思います。それに対しこの保険料払込免除特約は、いままでの保障はそのままに家計負担を軽減するという保障です。

 

東京都保健医療局東京都がん医療等に係る実態調査報告書(平成31年3月)によると、がん患者の約半数は、がん罹患後の収入が減ったと回答しています。

 

がんは治療費が大変というイメージがあるかもしれませんが、家計収入が減少し生活費に困窮するというシナリオも知っておく必要があります。そしてあらゆるシナリオをふまえ、がん保険をはじめとした保障をどのようにしていくか慎重に考えていくことが大切です。

 

がん罹患後のシナリオを知る

生命保険を考える時に、がんには手厚く備えたいと考える方も少なくありません。そしてその際にとても大切なことがあります。それはがんになってしまったときに、どのようなシナリオがありどのようにお金がかかるのかを知ることです。

 

そうでなければがん保険をはじめとした保険を適切に選択することはできません。そういった意味で、もし自分自身でがんを正しく理解することが難しい場合には、がんとがんの保険を熟知した専門家に相談することをお勧めいたします。
 

 

谷藤 淳一

株式会社ライフヴィジョン

代表取締役