親が元気なうちに話すべきこと「遺産整理」「相続」が4割超
いつかは訪れる「親との別れ」。そのときが来て慌てたり困ったりしないよう、元気なうちに「そのときにどうしたいか」など、要望を確認しておくことは大切ですが、実際に顔を合わせるとなかなか切り出すことができないもの。久々に家族が顔を合わせるお盆。「今度こそちゃんと話そう」と思っていたのに、結局話せなかった……そう後悔するのも、“お盆あるある”かもしれません。
株式会社LIFULL seniorが親の死を経験した人に聞いた『「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」に関する調査』によると、親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題のトップは「家の片付けや遺品整理」で44.2%。「遺産や相続」41.5%、「老後の医療や介護ケア」38.5%、「老後の資金計画や経済面」36.5%、「健康状態」35.8%、「葬儀」35.0%と続きます。
「モノが多すぎて、どうしたらいいのか」「遺産をどう分けるべきか」など、遺品整理や相続に関して、話しておいたほうがよかったと、後悔を口にするケースが多いようです。
山本直美さん(仮名・46歳)もまさに、「元気なうちに親と話しておけば」という場面に遭遇したというひとり。
――私自身が後悔したわけではなく、後悔したのは8歳上の兄ですけど
そういいながら、くすくすと笑う直美さん。「亡くなった父の遺言の内容が分かったときの兄の顔を思い出したら、まだおかしくて。バチが当たったんじゃないでしょうか」。
直美さんの兄、清水健一さん(仮名・54歳)は、4人きょうだい唯一の男子。そのためか、直美さんの父親は「清水家を継ぐのは健一だから」と、あからさまに贔屓をしていたといいます。
――何かあれば「健一、健一」ですから、子ども心に「おもしろくない」と思っていました
別に裕福な家庭でなくても、「家を継ぐのは長男」という家長制度の名残りが色濃い田舎。「周りの家も同じ」という諦めと同時に、「姉も私も妹も、早く実家を出て、早く清水姓を捨てたいと思っていました」と直美さん。3姉妹はみな、高校を卒業と同時に実家を離れ、就職をしたり、進学をしたり。三者三様でしたが、みな「結婚は早かった」と振り返ります。それは、そんな家の事情があったようです。