今年のお盆も終了。久々に家族が顔を合わせた、という人も多いのではないでしょうか。ただ家族が集まれば、揉め事が勃発するケースも。それがお金が絡む相続だと、より問題は複雑になるようです。
納得がいきません!父の介護に7年を捧げた53歳の姉だったが、全財産は墓を継ぐ49歳の弟へ…お盆の家族団らん中に判明した「遺言内容」に大揉め (※写真はイメージです/PIXTA)

要介護の父…施設からも追い出され、家族がみるしかなくなった…

株式会社サウンドファンが30代以上の男女に行った『今年のお盆の帰省に関する調査』によると、「今年のお盆に帰省をする」と回答したのは37.4%と、4割弱にのぼりました。

 

【Q.今夏のお盆は帰省しますか?】

帰省する…37.4%

帰省しない…38.5%

同居している…14.4%

実家はない…7.7%

その他…2.1%

 

また親の年齢別にみていくと、「帰省する」の回答は、「親が50代」で40.9%、「親が60代」で44.9%、「親が70代」で43.6%、「親が80代」が36.4%と、親が高齢の場合、「帰省しない」という選択をするケースが多いことが分かります。

 

――子どもや孫に会えるのは嬉しいけど、何かと負担……

 

そんな親側の事情もあるのでしょうか。

 

実家で暮らす53歳の清水陽子(仮名・旧姓内藤・53歳)さんは、お盆に2泊3日で実家に帰ってくるという、4つ下の弟家族を迎えるのに寝具をレンタルしたり、食器を新調したりと、忙しくしていました。

 

53歳の実家暮らし。事情を知らない人からは「暇をしている」と思われますが、実情は違います。実家で暮らす75歳の父は、7年前に病気の後遺症で要介護2に。当初は施設に入っていましたが、すぐに「自宅に戻りたい!」と騒ぎ立て、施設から退去要請。それまで実家近くで家族3人で暮らしていた陽子さんが、ほぼ実家に住み込む形で父の介護にあたるようになったのです。

 

また当初は外部の介護スタッフも頼っていましたが、父親が必要以上に嫌い、誰も面倒をみられない状態に。結局、父親の介護は全面的に陽子さんが負担するようになったのです。

 

現在、父親の介護度は1つあがって要介護3に。厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、同居する主な介護者の介護時間は、要介護3の場合、「ほとんど終日」が31.9%。要介護2では17.0%だったので、一段と介護負担が重くなることが分かります。

 

そんな生活に、帰省してくる弟家族。普段、父以外に話すこともないという陽子さん。いい息抜きになるかも……と思いながら、準備を進めていたといいます。