気象庁から10年に1度の酷暑を警戒するよう発表がありました。日中の暑さはいわずもがな、今年の夏は夜も暑い! 寝苦しい夜にストレスを感じる人も多いでしょう。ここで心配となるのが、睡眠負債です。睡眠負債とは、毎日少しずつ積み重なる睡眠不足のこと。睡眠負債は心身ともに不調を招く原因となるため、睡眠の改善は社会議題としても注視されています。こうした背景から医療機器メーカーだけでなく、さまざまな企業がスリープテックに参入し、市場規模が拡大しています。今回は最新のスリープテックをみていきましょう。
10年に1度の酷暑も快眠で元気に乗り切る!寝苦しい夜を脱却する「スリープテック」 (※写真はイメージです/PIXTA)

 

睡眠状態を分析するサービスはほかにもあります。スタンフォード大学医学部精神科教授であり、同大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治が設立した「株式会社ブレインスリープ」は、睡眠時の動きに合わせたパーソナルな分析ができる「BRAIN SLEEP COIN(ブレインスリープ コイン)」を提供。コイン型のデバイスをクリップでパジャマに装着して計測したデータを、連動するアプリが解析して可視化します。

 

「睡眠の深さ」や「いびき」のような既存のスマホアプリのみで計測できる項目だけでなく、独自の睡眠ステージを判定するアルゴリズムとセンサーによって、「寝返りの回数」「寝ている時の体の向き」「寝床内温度」なども計測できます。これにより、どの向きで寝ているときに寝返りが多いか、快適に就寝している際の寝具内の温度など、より詳細な分析が可能です。さらに睡眠状態から問題点を導き出し、睡眠改善のアドバイスをスマホアプリから見ることができます。

 

(株式会社ブレインスリープ提供)
[図表2]BRAIN SLEEP COIN (株式会社ブレインスリープ提供)

 

スマートウォッチを利用した睡眠トラッキングはこれまでもありましたが、より詳しい計測は医療機関や施設など、特別な設備がないとできないものでした。しかしスリープテックの進化は、睡眠中のあらゆるデータを自宅で簡単に計測・分析することを可能にします。