気象庁から10年に1度の酷暑を警戒するよう発表がありました。日中の暑さはいわずもがな、今年の夏は夜も暑い! 寝苦しい夜にストレスを感じる人も多いでしょう。ここで心配となるのが、睡眠負債です。睡眠負債とは、毎日少しずつ積み重なる睡眠不足のこと。睡眠負債は心身ともに不調を招く原因となるため、睡眠の改善は社会議題としても注視されています。こうした背景から医療機器メーカーだけでなく、さまざまな企業がスリープテックに参入し、市場規模が拡大しています。今回は最新のスリープテックをみていきましょう。
10年に1度の酷暑も快眠で元気に乗り切る!寝苦しい夜を脱却する「スリープテック」 (※写真はイメージです/PIXTA)

ここまで来たか…特許技術の最新マットレス

(KOHYOHLIFE提供)
[図表5]TECOREA (KOHYOHLIFE提供)

 

最後に、業界初のユニークなテックを盛り込んだマットレスをご紹介します。「KOHYOHLIFE(コーヨーライフ)」が開発した「TECOREA(テコリア)」は、特許技術の多機能循環機を搭載したマットレス。マット内に自然の風を循環させて温度や湿度を調節することで、季節を問わず快適な寝具環境を作り出します。

 

寒い冬は温風モードで20℃~37℃の範囲で温度調整が可能です。風の温度は専用リモコンで1℃ずつ調節でき、最適な温かさを保てます。また送風モードを使えば熱や湿気を効率よく外部へ排出するため、夏や梅雨時など湿気がマット内にこもりがちな季節も湿度とともに温度も下げられるのが利点。エアコンと併用すれば、マットレス内部を室内温度と同程度の温度・湿度に保つことが可能です。

 

(KOHYOHLIFE提供)
[図表6] (KOHYOHLIFE提供)

 

また、就寝中は汗や体温でマットレス内の湿度や温度が上昇します。そのままではカビやダニの温床になりやすい環境のため、マットレスを干したり除湿シートなどを使用したりしている人もいるのではないでしょうか。テコリアは多機能循環器によってマットの下側にある吸気部から空気を取り入れて湿気を排出するため、常に快適な湿度をキープ。定期的な天日干しや除湿シートの交換など、メンテナンスの手間は必要ありません。さらに布団乾燥・ダニ対策モードも搭載し、50℃前後の温風を4時間放出することでダニを98%死滅させられます。

 

個人差や年齢、季節などによって差は生じますが、理想の睡眠時間は6~9時間といわれています。しかし、ただ長い時間横たわればいいというものではなく、ぐっすりと眠れて疲れが取れた実感があるかどうか、すなわち「良質な睡眠」を取ることが重要です。

 

スリープテックの進化や各企業の睡眠に対する取り組みは、私たちに睡眠時間の確保と睡眠の質向上をもたらし、日本人の睡眠負債返上を叶えてくれるかもしれません。

 

 

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<著者>

吉田康介(フリーライター)


IT・テック系を中心に、各種Web媒体で記事を執筆。大学では社会学を専攻し、その後IT系のメーカー勤務・編集プロダクション勤務を経て独立。
フリーライターとして活動中。「最新テクノロジーと食文化」、「最新テクノロジーとスポーツ」など、テクノロジーとその他のジャンルをかけ合わせた記事を得意としている。