インターンシップは、1日~1か月程度で働く「短期インターン」と、数カ月~数年単位で働く「長期インターン」に分かれます。どちらも学生時代の大きな経験となる点は共通していますが、長期インターンのほうが企業から見た評価は断然高いといいます。そこで本記事では、トテジェニファー麻綾氏の著書『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)より一部抜粋・再編集して、長期インターンシップが就活に与える影響について解説します。
他の学生より就活が有利に?企業が「長期インターン経験者」を積極的に採用したがる理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

企業が長期インターン経験者を採用したい理由

企業は、長期インターン経験者の学生を未経験者の学生とは一線を画す存在として捉えている。何のインターンをしていたのか、インターン先でどのような成果を上げたのかといった経験に紐づく話を抜きにしても、「お、長期インターン経験者か。詳しく話を聞いてみたいな」というような見られ方をされるのだ。人気企業であれば何百人、何千人と候補者がいる中で、採用担当者からこのように見てもらえるのは学生からすればありがたい話である。

 

これは、学生の長期インターンの参加率が極端に少ないということが大きく作用しているといえるだろう。企業は少しでも優秀な学生を採用したいと考えている。多くの学生が学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)や自己PRとして企業にアピールすることといえば、「サークル長を務め、サークルメンバーを率いていました」、「飲食店でアルバイトをし、お客さまを笑顔にするための接客力を身につけました」といったところだ。

 

まれに「スポーツ推薦で大学に入学し、大学の全国大会で上位に入賞しました」といったパンチのあるエピソードを持ってくる学生もいるが、これは数としては少ない上に、誰にでもできることではないため割愛させていただく。

 

このようなエピソードと比較して、インターンのエピソードが秀でる理由は、「インターンへの参加」=「学生ながらもひとりの働き手として企業内部で実践的な仕事を任された」ことを示すものだからだ。「優秀な学生」=「インターン経験者」というわけではないが、インターンとして実務に携わったことのある学生に期待を寄せる企業は多い。もちろん、新卒で入社すれば研修や課題などが用意されているだろうが、それらを開始する前から企業で働くことがどういうことなのかを理解している学生は、企業としてもありがたい存在なのだ。

 

これに加えて、実務ではどのような業務を担当していたのか、そこではどのような成果を上げたのかなどの細かい内容をうまく伝えられれば、大抵の採用担当者は真剣ながらもどこか嬉しそうな表情で話に食いついてくる。この状況にもなれば、こちらとしては餌に食いついた魚を逃さぬよう丁寧に釣り上げるまでなので、舞台は整ったといっていい。

 

 

トテ ジェニファー麻綾