息子の知らぬ所で息子に代わって婚活する母親だったが…
ときに子どもの結婚に対して、本人よりも親のほうが積極的、というケースも。たとえば「親の婚活パーティ」。独身の子どものいる親同士が集まり、子どもの結婚相手を探すというもので、そこに本人は不在という場合も。親同士の代理婚活パーティ。「自分たちは子よりも早く逝くから不安で不安で……」というのが共通の想いのようです。
――わたしが息子の結婚相手を見つける!
そう意気込む60代女性も親のほうが子どもの結婚に対して積極的な親のひとり。親同士の婚活パーティにも何度か足を運んだといいますが、いまのところ、良い縁には恵まれていないとか。さらにインターネットに「どうすればうちの息子にいいお相手が見つかるでしょうか? 息子は大卒で年収は800万年くらいで……」とプロフィールつきでお悩み投稿するほどの本気度を見せています。
そんな親の行動を息子は知らないようで……
――うちの息子は消極的で。お付き合いをしたことも、一度もないと思うんです
――私が頑張らないと、一生、あの子は独り身なんです
少々、思い込みの激しい様子が垣間見られる女性。息子には知られないよう、こっそり進めていた婚活ですが、ある日、本人(息子)に知られることになります。ある日、インターネットの書き込みを発見した息子の友人。スクリーンショットをとり、息子に送ります。
――これってお前じゃない?
そこにあったのは自分。写真と細かなプロフィールとともに、「花嫁募集!」の文字。自分が投稿したものではないものの、すぐに犯人は分かったといいます。
――お母さん、やめてくれ!
「なんで分かったの!」と驚く母。しかしすぐに「でも、あなたには幸せになってもらいたくて」と母の重すぎる愛を伝えます。
――俺、まだ20代だよ! 結婚なんてまだ早いし、相手くらい自分で見つけるよ!
母の暴走に対して、さすがに怒り心頭の息子。そのあと、母親とはしばらく冷戦状態だったといいます。
――母は世間知らずのところがあり、思い込みも激しくて……きっと誰かからか「子どもの結婚相手は親が見つけないと、いまどき子どもは結婚できない」とでも聞いたのでしょう
厚生労働省『人口動態調査』によると、平均初婚年齢は2022年、夫が31.1歳、妻が29.7歳。その親世代の結婚適齢期は、男性が28歳、女性が25歳くらいでした。「20代で結婚するのが平均的」という感覚の親世代からすると、いまの子世代をみていると、本人以上に焦ってしまう気持ちもあるのでしょうか。
どちらにせよ、結婚において一番大切なのは本人の気持ち。親がでしゃばるのはトラブルの元です。
[参照]
国立社会保障・人口問題研究所『2021年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』