少子化の原因のひとつとしてあげられる「未婚率の増加」。結婚のメリットが薄れるなか、「一生、結婚するつもりはない」と言い切る人が増えています。一方で、「私たちは先に逝ってしまうから」と、未婚の子どもを心配する親の姿。すれ違う親子の想い、その先にあるのは。
お母さん、やめてくれ!箱入り娘の60代母「息子に代わり結婚相手を探す」大暴走に、年収800万円の息子本人が悲痛の訴え【令和の結婚事情】 (※写真はイメージです/PIXTA)

結婚に対し冷めた想いを抱く「18~34歳」が増加

深刻化する少子化問題。婚姻率低下が要因のひとつと、行政が婚活アプリを作ったり、婚活パーティを主催したりと、躍起になっています。

 

国立社会保障・人口問題研究所『2021年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』の独身者への調査によると、「いずれ結婚するつもり」と考える18~34歳の未婚者は男性で81.4%、女性で84.3%でした。前回2015年調査に比べて、男性は4ポイント、女性は5ポイント近く減少しています。一方「一生結婚するつもりはない」 と答える未婚者は 2000 年代以降増加傾向で、2021年調査では「男性」で 17.3%、「女性」で 14.6%となりました。

 

ようは結婚することのメリットが小さい=独身でいることのメリットが大きいということですが、結婚の利点としては、男性の最多は「精神的な安らぎが得られる」で33.8%、女性の最多は「自分の子どもや家族をもてる」で39.4%でした。一方、独身のメリットとしては男女ともに「行動や生き方が自由」で、男性70.6%、女性が78.7%でした。

 

また結婚する前に、交際がなければいけませんが(最近は交際ゼロ日婚というのも話題になっていますが)、本調査では18~34 歳の未婚男女の3人に1人は「特に異性との交際を望んでいない」と回答。その数は増加傾向にあります。少子化が進むのも、当然と言えば当然と言えそうです。

 

そんななかでも、いずれは結婚するつもりという人は8割近くいて、当然、「いますぐにでも結婚したい!」と婚活に積極的な人もいます。そのとき、ちょっと厄介な存在が「親」かもしれません。「結婚なんていつでもいいのよ」などと言っている親に限って、子どもの結婚に対して興味津々。「できれば早くいい人を連れてきてほしい」と考えている……それが親というものです。

 

株式会社TMSホールディングスが行った『「親とする婚活や結婚の話」に関して意識調査』によると、「親と婚活や今後の結婚の話をすることは好きですか?」の問いに対して「好きではない」が42.9%、「好き」が8.8%。また「自身の婚活や結婚に対し、親がどのようなスタンスだと嬉しいですか?」の問いに対しては「関わらないでもらったほうが嬉しい」が35.2%、「陰で応援してくれると嬉しい」が34.1%。ようは「余計な口は挟んでくれるな」が大多数の子どもの意見です。