エリート商社マン、60歳定年で仕事を辞める余裕
現在、60歳を定年として以降も継続雇用制度で働ける企業の割合は6~7割といわれています。そのようななか、どれほどの人が60歳定年で仕事を辞めているのでしょうか。
総務省『労働力調査』によると、2023年、「55~59歳」の労働力人口率*は85.2%「60~64歳」では76.0%。男女別にみていくと、男性「55~59歳」の労働力人口率は93.9%、「60~64歳」は86.8%。女性「55~59歳」の労働力人口率は76.4%、「60~64歳」は65.3%です。
*就業率と完全失業率を足したもの
60歳を境に、男性は7.1ポイント、女性は11.1ポイント、働いている人/働こうとしている人(=完全失業者)が減っているということ。単純に60歳定年で労働力人口の7%の人が仕事を辞めていると仮定すると、50~60代は各年齢およそ70万人ほどなので、毎年、約5万人が60代になるのを機に仕事を辞めているということになります。
高田秀樹さん(仮名・60歳)も60歳定年を機に仕事を辞めたひとり。辞めた理由は「老後の不安がなかった」という単純なものでした。
総務省家計調査によると、65歳以上の高齢夫婦の1ヵ月の支出は25万円、単身者であれば15万円。一方で収入=年金は、65歳以上男性で平均16万円、女子で10万円。年金の手取り額は額面の85~90%とされているので、共働き夫婦であれば年金の手取りは月22万円、単身のおひとり様男性であれば月14万円程度。つまり夫婦であれば月3万円、1年間で36万円ほど、単身のおひとり様男性の場合は月1万円、1年間で12万円ほど足りず、貯蓄を取り崩す必要があるということ。
高田さんの場合は……
――年金は私だけで22万円ほど。妻(58歳)は月8万ほど受け取れるようです。株式や預貯金を合わせて6,000万円、退職金は5,000万円ほど受け取りました。よほど散財をしない限りは、適度に遊んで生きていけるかと考えています
何とも羨ましい発言。というのも、高田さんは高給取りとして知られている総合商社業界を渡り歩いてきた人。エリートサラリーマンのなかでもトップクラスといっても過言ではないでしょう。
――私なんて大したことはないですよ。ほかの会社では、退職金1億円というケースもあるらしいので
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