日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満であれば強制加入となる国民年金。保険料は1カ月あたり1万6,980円です(令和6年度)です。しかし保険料の未納が続くと日本年金機構から何度か警告があり、それでも未納が続くと大きな後悔を抱く結果に。年金保険料、未納の先にある恐ろしい未来とは?
日本年金機構から18万人に「赤い封筒」で最終通告、そのうち3万人が直面する「恐ろしい出来事」の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

2023年度「年金保険料強制徴収」…18万人に「警告」→3万人が「財産差押」

圧倒的多数の人が納付している国民年金保険料。しかし再三にわたる警告に関わらず、納付を拒んでいると、最終的に財産の差押えという事態に直面します。

 

昨今、不公平感の解消を目指し、強制徴収の実施が強化されています。赤色の封筒に入った最終催告状は、コロナ禍の影響で2021年は2,117件の通知でしたが、その翌年には18万9,009件、そして昨年は17万6,779件に送られました。

 

それでも納付に応じず、「督促状」が送られたのは、2021年度15件、2022年度13万3,476件、2023年度10万2,238件。さらに最終的に「財産差押」となったのは、2021年度46件、2022年度1万2,784件、2023年度3万0,789件でした。

 

つまり赤い封筒で最終警告がされた人の17%、6人に1人が、「財産差押」という事態に直面したわけです。誰もが差押えの対象になるわけではなく、「所得額300万円以上で7ヵ月以上保険料が未納」の人が対象。ただこの条件は年々厳しくなり、いずれ無条件になる可能性はあります。

 

差押えの対象となるのは、例外はありますが「給与の一定額」「預貯金」「自宅などの不動産」「生活必需品以外の動産」「自動車」など。

 

――保険料を払いたくてもお金が……

 

もちろんそういうやむを得ない事情の人もいるでしょう。その場合、まずは年金事務所などに相談を。保険料免除や猶予の制度が利用できれば、将来の保険料が減額となるなどのデメリットはあるものの、保険料未納による財産差押という恐ろしい事態は免れます。

 

とにかく、封筒の色まで変えてまで警告しているわけですから、無視するのはNGだということ。日本年金機構から色付き封筒が届いたら、迅速な対応が求められます。

 

[参照]

厚生労働省『令和5年度の国民年金の加入・保険料納付状況について』

日本年金機構『国民年金保険料を納付していない期間がある方にお知らせをお送りします』