(※画像はイメージです/PIXTA)

気象庁から10年に1度の酷暑と予想がされている今年の夏。そこで注意したいのが熱中症です。屋外ではもちろん屋内でも発症する人が多く、なかには命を落とす人も。安全であるはずの「住まい」で命の危険にさらされる……そこで再確認したいのは木造住宅です。熱中症を防ぐ住まいを実現するためにも、いま一度“木”の特長に注目し、さらに補助金や税制優遇も活用。お得に安心安全、さらに快適なマイホームを叶えるのです。長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。

 

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東京の8月の平均最高気温…124年で4℃も上昇している

近年、暑すぎる夏が続いています。気温上昇の原因には諸説ありますが、地球そのものの気候変動にくわえ、温室効果ガスによる気温上昇という見方が一般的のようです。

 

気象庁が発表している東京都心の気温データを過去に遡ってみると、124年前の1900年8月の平均最高気温は30.5℃。それに対して2023年8月の平均最高気温は34.3℃でした。この124年で4℃上昇しています。2023年は最高気温が30度以上の日が、5月17日から9月28日までに90回ありました。1年間のおよそ4分の1が「真夏日」か「猛暑日」だったことになります。

 

これだけ夏が暑くなると、心配なのは体調です。消防庁によると、2023年5月から9月までに熱中症を原因として緊急搬送された人は91,467人でした。

 

 

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意外と知らない「熱中症の真実」

 

熱中症と聞いて、発症する場所はどこをイメージするでしょうか。屋外でのスポーツや庭仕事などの作業中ではないかと考えがちですが、実は住居内が最も多いのです。熱中症で緊急搬送された91,467人のうち39.9%が住居内で熱中症を発症しています。また、91,467人のうち、54.9%が65歳以上の高齢者です。

 

図表:熱中症の4割は室内で発症
資料提供:株式会社AQ Group(アキュラホームグループ)

 

なぜ涼しいはずの屋内で熱中症になってしまうのでしょうか。それは空調と密接に関係があります。熱中症で死亡した人のほとんどはエアコンを稼働させていなかったか、そもそも未設置であったとされています。

 

熱中症発症者の状況を都道府県別に見ると、北海道と東北地方では住居内で熱中症を発症した割合が50%を超えています。これは北海道・東北地方ではエアコン未設置の住宅が多いことと無関係ではないでしょう。冷房よりも暖房が重要という意識が長年あったためです。

 

これからも暑い夏が続くと言われています。危険な暑さの夏を安全に過ごし、命を守るためには住宅の性能を見直すことが非常に重要になります。

 

 

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熱中症対策として注目したい「木造住宅と断熱性能」

 

住宅の構造は室内の温度に大きな影響があります。住居内での熱中症は寝室で発症するケースが多く、夜間の室内温度が日中よりも下がるかどうかが重要なのです。

 

たとえば鉄筋コンクリート造の集合団地の場合、夜間の室内温度が下がりにくいことが知られています。猛暑日にもなると日中の室内温度が明け方までほとんど下がらず熱がこもります。深夜からは屋外の方が涼しいという現象が起きるのです。一方で木造住宅の場合、木材自体が熱を通しにくいという断熱効果があるため、外気温が下がるにしたがって室内温度も下がっていきます。

 

木材とコンクリートを比較した場合、熱伝導率(熱の通しやすさ)に大きな差があります。ヒノキは0.12W/(m・K)であるのに対して、コンクリートは1.6W/(m・K)と、コンクリートの方がはるかに熱を通しやすいことが分かります。木材自体を加工した断熱材も存在するほど、木は断熱性能に優れているのです。

 

図表:断熱性能に優れた木材
資料提供:株式会社AQ Group(アキュラホームグループ)

窓の性能にも注目!

断熱性能を考える時、窓の性能も重要です。窓ガラスは壁よりも熱を通しやすいのですが、数字で表すと、窓の熱貫流率が2.33~6.51[W/m²K]に対して、壁は0.35~0.53[W/m²K]と、7倍~12倍も窓のほうが熱を出入りしやすいのです。

 

新築住宅であれば多くは複層ガラス窓(ペアガラス、トリプルガラスなど)を設置していますが、築年数が古い家では単体ガラス窓(ガラス一枚の窓)の場合もあります。2024年から環境庁が窓のリフォームに対して補助金の交付を行っています。新築の予定がない場合はリフォームによって窓の性能を上げてみるのも健康上のメリットがあります。また、新築もリフォームも金銭的に難しい場合には、断熱性能に優れたカーテンが販売されているので検討してみてください。

 

窓の断熱性能を向上させるだけでも光熱費の節約になります。

空調の重要性

熱中症とエアコンは密接な関係性があります。エアコンを利用せずに寝ることで就寝中に熱中症を発症してしまい、最悪の場合は命を落とします。しかし就寝中にエアコンをつけっぱなしにすることに抵抗感がある人が多いのも事実。その理由は、光熱費が高くなるのではないかという不安でしょう。確かに光熱費が高騰している今の状況でエアコンをつけっぱなしにするのは抵抗感があるはずです。

 

住宅の断熱性能、気密性能が低ければ、やはりエアコンを使うほどに光熱費は高くなってしまいます。効果的にエアコンを使い、なおかつ光熱費を節約するためには、住宅の性能を上げることが不可欠です。

 

まずは住宅性能を上げたうえで、全館空調を導入することで住居内の気温差が少なくなります。全館空調は小屋裏(屋根と天井の三角の空間)にエアコンを設置し、ダクトを通して全館に冷暖房を届ける仕組みです。これによって二階に熱がこもったり、トイレが蒸し暑くなったりすることはありません。夏だけではなく冬場のヒートショック対策にも有効です。

 

ただし、断熱・気密性能が低ければ全館空調によって光熱費が激しく高騰してしまうので、設置する際には住宅性能にこだわりのあるハウスメーカーを選ぶことが重要です。

 

 

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省エネ性能に補助金や税制優遇

 

断熱性能を向上させることによって熱中症予防だけではなく、省エネにもつながります。省エネ性能に対して、国では補助金制度や税制優遇を用意しています。

 

リフォームの場合

環境省で、断熱窓はへの改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ2024事業)という名称の事業を行っています。これによって開口部(窓)の断熱改修に対して、最大で200万円の助成金が交付されます。窓と同時であればドアの断熱改修も補助金の対象となるのが特徴です。断熱性能に大きな影響を及ぼす開口部(窓、ドア)のリフォームを行うチャンスです。

 

新築の場合

新築の場合はより充実した税制優遇が用意されています。省エネ住宅の種類によって優遇策がことなるため代表的な二つについて簡単に説明します。

 

■長期優良住宅の場合

・当初5年間は金利が0.75%引き下げとなる【フラット35】Sの金利Aプランが利用可能

・「住宅ローン減税」の対象となる住宅ローン年末残高の限度額の引き上げ

・認定住宅の新築等をした場合の所得税の特別税額控除(住宅ローン減税との選択適用)

・登録免許税の税率の引き下げ

・不動産取得税の課税標準の特例

・固定資産税の新築家屋の税額軽減の期間延長

・住宅取得等資金の贈与税の非課税特例の限度額を500万円加算

 

■ZEH住宅の場合

・戸建住宅ZEH化支援事業が受けられる

・所定の設備を導入すると追加補助が受けられる

・「住宅ローン減税」の対象となる住宅ローン年末残高の限度額の引き上げ

・当初5年間は金利が0.75%引き下げとなる【フラット35】ZEHを利用可能

・長期優良住宅と組み合わせると金利が1%の引き下げとなる

 

特にZEH住宅は既に新築注文戸建て住宅のうち、約半数がZEH仕様となっています。費用はかかるものの補助金も用意されているため多くの人が選択しているのです。もはやZEH仕様が常識となりつつあります。

 

2025年にはすべての新築住宅で省エネ基準の適合が義務付けられているため、これからの住宅を購入する人は断熱性能をはじめとした省エネ性能が優れ、健康的な住宅に住むことができるでしょう。

 

▼高い断熱性能を備えた省エネ住宅