いつまで続く「実質給与減」…サラリーマンの財布、さらに厳しく
厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、今年5月の速報値で、「現金給与総額*1」は29万7,151円で前年比1.9%増、「きまって支給する給与*2」は26万3,539円で前年比2.5%増でした。
*1:所得税、社会保険料、組合費、購買代金等を差し引く以前の総額
*2:定期給与のことで、労働契約、団体協約あるいは事業所の給与規則等によってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって支給される給与のことで、所定外労働給与を含む
よく言われている通り、名目賃金の前年を上回る伸びを記録し続け、回復傾向にあり、賃上げの効果がでていることを見てとることができます。しかし、2020年を100とした名目賃金指数を消費者物価指数で割り引いて前年同月と比べた実質賃金の上昇率は依然としてマイナスを記録し続け、26ヵ月連続。2年以上も、実質、「給与減」の状態に見舞われています(図表1)。
――あれ、そんな値段だったっけ?
いつもの“アレ”が、いつの間にか値上げされていて戸惑う……この何年かは、そんなシーンにたびたび遭遇しました。
つい先日の16日、限られたお小遣いでランチ代をやりくりしているサラリーマンたちの強い味方、「松屋」で値上げ。たとえば牛めし並盛は400円から430円になりました。そして「ココイチ」は8月からの値上げを発表。ベースカレー(ライス300g)のポークカレーでは、東京・神奈川・大阪の店舗価格が591円から646円、その他地域では570円から646円。地域別価格を廃止し全国で価格を統一する方向だといいます。
ほんの数十円の値上げがボディブローのように効いていく……この状態、いつまで続くのか、気になるところですが、「この秋くらいには実質賃金がプラスに転じるのでは」という専門家の声が多数聞こえてきます。ただ、「米国でトランプ大統領が誕生したら、賃上げにはマイナスに影響する可能性が高い」という専門家の声も多数。
世界情勢にも左右される、サラリーマンの給与。引き続き、節約を心がけるしかないようです。