2児の子育て中のキャリア妻…200万円弱/年の遺族年金
遺族年金は、国民年金に由来する「遺族基礎年金」と、厚生年金に由来する「遺族厚生年金」があります。遺族基礎年金は18歳以下の子どもがいることが前提で、「81万6,000円+子の加算額」を受け取れます。子の加算額は、2人目までは各23万4,800円、3人目以降は各7万8,300円。女性の場合は、年間128万5,600円の遺族基礎年金を受け取ることができます。
遺族厚生年金は、亡くなった夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3。計算において、厚生年金の被保険者期間が300ヵ月(25年)未満の場合は、300ヵ月とみなして計算します。女性の場合、年間65万3,000円ほどの遺族厚生年金を受け取ることができます。
当時、女性の月収は40万円ほど、手取りにすると30万円程度で、大卒女性会社員の平均程度でした。
――これで子ども2人を育てるのは……
そこに月16万円程度の遺族年金。それまで遺族年金に関しては「聞いたことがあったが、具体的にどのようなものかは知らなかった」という女性。そのため「予想外の収入で助かった」という感覚だったといいます。
【大卒女性会社員の平均給与】
月収 | 年収 | |
---|---|---|
20~24歳 | 24.4万円 | 361.7万円 |
25~29歳 | 27.2万円 | 461.9万円 |
30~34歳 | 30.4万円 | 513.7万円 |
35~39歳 | 34.1万円 | 577.0万円 |
40~44歳 | 36.9万円 | 628.4万円 |
45~49歳 | 40.1万円 | 696.3万円 |
50~54歳 | 42.4万円 | 717.7万円 |
55~59歳 | 47.1万円 | 813.3万円 |
60~64歳 | 46.8万円 | 694.8万円 |
※出所:厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』より
女性が51歳になるときに長男が大学生に。遺族基礎年金は子の加算分が引かされ、月14.2万円程度に減額。それでも嬉しい収入だったことに変わりはありません。
女性が53歳になるとき次男も大学生に。遺族基礎年金をもらうことができなくなりましたが、遺族厚生年金に「中高齢寡婦加算」61万2,000円が加算され、月10万5,000円ほどの年金がもらえるようになりました。
2人の子は順調に大学を卒業。女性、57歳の時に次男が大学を卒業・就職をし、無事、子育て終了。「親としての務めを果たしてホッとした」と女性。また「夫の遺族年金があるので、60歳の定年で仕事をやめることができた」と振り返ります。