幸せな老後生活のはずが…定年後の夫婦に起きた「まさかの悲劇」

70歳の安達直哉さん(仮名)は、4歳年下の妻・美帆さん(仮名)と2人暮らしです。戸建ての持家に住んでおり、住宅ローンはすでに完済しています。夫婦には息子が2人いますが、すでにどちらも所帯をもち、遠方で暮らしています。

直哉さんは現役時代、中小企業の営業職として忙しい日々を送ってきました。週末は得意先との「接待ゴルフ」に行くことも多く、その影響でプライベートでもゴルフにのめり込むようになりました。定年後のいまも、月に数回、友人とゴルフを楽しんでいます。

一方の美帆さんは、中小企業の事務員として定年まで勤めあげました。最近は、古くからの友人と旅行に出かけるなど、夫婦ともに悠々自適なセカンドライフを送っています。

夫婦はともに老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給しており、2人合わせて年間370万円(月約31万円)の年金収入があります。

その内訳は以下のとおりです。

夫:老齢基礎年金……81万円、老齢厚生年金……109万円

妻:老齢基礎年金……81万円、老齢厚生年金……99万円

2人の資産状況は、預貯金と夫の金融資産を合わせて1,700万円程度です。現役時代に安定した給与があったことから、毎月の生活費は現在も、年金支給額よりもやや多い状態です。そのため、2人は少しずつ資産を切り崩して生活していました。

「いってきます」が最期の言葉に…「急性心筋梗塞」で還らぬ人となった直哉さん

そんなある日のことです。いつもどおり、仲間とともにゴルフに出かけた直哉さんでしたが、その日の夕方、美帆さんの携帯電話に見知らぬ番号から電話がありました。

出てみるとゴルフ場に近い病院からで、聞けば「夫が急性心筋梗塞で倒れた」といいます。

美帆さんは祈るような気持ちで急いで病院に向かいましたが、病院に到着すると、医師からは「残念ですが、手の施しようがありませんでした」と告げられました。美帆さんはその場に崩れ落ち、涙が止まりません。

「今日の朝、元気に『いってきます』と言って出かけたじゃない……!」

愛する夫の突然の死に、美帆さんはひどく憔悴。心には大きな穴が開き、彼女は深い絶望に打ちひしがれる日々が続きました。