2024年「公示地価」発表!キーワードは「半導体」「インバウンド」
国土交通省は、今年1月1日時点の「地価公示」の結果を公表しました。全国平均、前年比プラス2.3%増と上昇率は昨年よりも0.7%拡大、上昇は3年連続となりました。
用途別では、住宅地は全国平均2.0%増、商業地では全国平均3.1%増。新型コロナウイルス感染症の影響からの回復し、経済活動が正常化したこと、さらにはインバウンド需要の回復により飲食や宿泊などの業種で土地を求める動きがあり、地価を押し上げました。
日本で一番地価が高かったのは、「東京都中央区銀座4-5-6」で1平米あたり5,570万円。ここは7月いっぱいでCDの販売を終了すると話題になっている「山野楽器銀座本店」の前。たった畳、半分強の広さで5,000万円以上という、想像もつかない価格になっています。
また上昇幅に注目すると、トップは「熊本県菊池郡大津町大字大津字拾六番町屋敷1096」で前年比33.2%増。この地半導体の受託生産で世界最大手、台湾のTSMCの新工場ができたことで、“半導体バブル”が起きている地域。TSMCは先端半導体を生産する第2工場の建設も決定。政府は総額で最大1兆2,000億円ほど補助するといいます。小さな町ですが、関連企業も含めると、今後も、相当の人口流入が見込まれ、地価上昇を引き起こしています。
また半導体バブルは、地価上昇率3位の「北海道千歳市幸町3丁目」も。ここはソニーやトヨタ自動車など国内大手企業8社が出資して設立されたラピダスの新工場の建設が進む地域。回路線幅2ナノメートルの微細な「ロジック半導体」を製造する拠点として、2027年の量産開始を計画しています。
また「長野県北曇郡白馬村」にも注目。ここは夏冬通して外国人観光客が激増している地域。インバウンドによる地価上昇といえば北海道のニセコ地域が有名ですが、今回「北海道虻田郡倶知安町南1条西1丁目」が前年比7.7%増と、一時に比べると沈静化。変わって注目されているのが、長野県・白馬地域や、北海道・富良野地域。すでに「第二のニセコ」の様相を呈しています。