トレードで損切りをしてしまったときに損失の原因を考える人は多いでしょう。しかし、トレーダーとして大きく成長する可能性がある人とない人とでは、考え方に決定的な差があるようで……。今回は、FXでの損切り時の思考法について、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。
プロトレーダーにも失敗はつきもの…トレードで損切りをしたあと「稼げる人」と「稼げない人」の決定的な差【月利30%・FXのプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

失敗後の行動で大きく差が出る

誰しもが日常生活や仕事の場面で失敗をしてしまうことがあります。失敗をしたあと、同じ失敗を繰り返さないように原因を追求する人や、失敗したことをそのときの環境が悪いと考えその場しのぎの状態にしてしまう人など、失敗の捉え方はさまざまです。失敗の捉え方は人それぞれですが、捉え方によってその後の成長の度合いが大きく変わります。

 

同じ環境下で仕事をしていても、年月が経つことで大きくスキルに差が開いてしまうのは、失敗をどう捉えるかに違いがあるからです。失敗の捉え方は大きくわけて2種類存在します。「自分に原因があるか」と「自分以外に原因があるか」です。

 

常に前者の考え方ができる人は、成長の速度が早い傾向にあります。FXトレーダーでも同じことがいえます。損切りに対して、常に自分に原因があるのではないかと自分のトレードを疑うことができる人は大きく成長します。しかし、損切りを相場環境やインジケーターのせいにしている人は、なかなか成長することはできません。さらに、同じ損切りを何度も繰り返してしまい、最終的に相場からなにも得ずに退場してしまいます。成長速度が格段に上がる「自分原因論」は、FXトレーダーに必須な心構えといえるでしょう。ここからは、自分原因論の詳細を解説します。

自分原因論とは?

FXにおいて成長速度を高める自分原因論とは、文字どおり「何事の事象も自分に原因があると仮説を立てること」です。起こった出来事の因果関係を自分主体に考えることで、どうすればよりいい結果に結びつけるか主体的に考えることができます。また、自分原因論は自分の行動に対しての振り返りであるため、次のステップに進むための具体的な行動計画を立てやすいというメリットがあります。

 

たとえば、「相場の流れが悪かったから……」という自分自身の行動以外の理由で損切りしたことを振り返った場合、次のトレードで損切りをしないためには相場の流れがよくなるまで待たなければいけません。対して、自分原因論で考えると、「短期の時間足ばかりに着目し、長期足でトレンドを確認しなかったから」という理由に行き着きます。この場合、次から自分のチャートの確認の仕方を変えるだけで、トレードの精度が上がります。自分原因論の強みは、次の行動がすぐにプラスに働く即効性があることです。

 

一般的に多くの人は無意識に自分以外に原因があると考えてしまいがちです。こうした思考の要因のひとつとして、人間が持つ本能的に責任を自分から遠ざけたいという「弱さ」があります。そのため、トレードで結果を出す自分原因論で考える習慣は、日々のトレードのなかでトレーニングする必要があります。意識的にトレーニングすることで、本能に打ち勝つような思考を得ることができます。プロトレーダーの多くは自分原因論に従って、日々のトレードに改善点がないかを検討し、常に改善することで安定した利益を積み重ねられています。