ロマン主義的な理想に立ち向かう方法

映画やテレビ番組がロマン主義の甘ったるい理想を固定化してきました。それらが発する愛や長期的な関係についてのメッセージは、間違っているだけでなく有害でもあります。ここでは諸悪の根源をいくつか見てみましょう。

1.ディズニー映画の「白馬の王子様」幻想

■ディズニーがまき散らすソウルメイト信仰

「運命の人」がどこかにいる。わたしの理想通りの相手が。

ディズニー映画は、誰もがいつかは理想の王子様かお姫様と出会い、恋に落ちると言っています。このような思考傾向に苦しむのはストレートの女性だけではありません。私はこれまで、ジェンダーや性的指向の別なく、あらゆるタイプのロマンス志向型に出会ってきました

※ロマンス志向型

運命の人と出会い、末永く幸せに暮らす、というおとぎ話のような恋愛を求めるタイプです。恋に恋する人。自分が独り身なのは、まだ運命の相手に出会えていないからだと思っています。

モットーは「恋愛は起こるべくして起こるもの」。

誰もがそろいもそろって、完璧なパートナー ――里親制度に協力する建築家の男性や、博士号をもっているモデルの女性―― が現れるのを待っているのです。その相手は、自分が求める資質をすべて兼ねそなえており、悪いところは一つもないはずだ、と。

ディズニーのアニメ映画の中では、登場人物は互いのことをろくに知らずに恋に落ちます。『リトル・マーメイド』でエリック王子の船が転覆したとき、王子がアリエルについて知っていたといたことといえば、彼を浜辺まで安全に運ぶだけの腕力をそなえたかわいらしい赤毛の女の子、ということだけ。

王子はそこに恋をしたのでしょうか? 『シンデレラ』でヒロインが王子に夢中になった理由は、ダンスがうまく、落とし物を正しい持ち主に返そうと努力したから? 少しばかり浅はかではないでしょうか。

■解決型マインドセットの考え方

白馬の王子様でも寝起きの息はくさい。完璧な人などいません。あなたもそうです。心当たりがありませんか?

では、誰かをがっかりさせたときのこと思い出してみてください(自分の欠点が思いつかないのであれば、兄弟姉妹の誰かに電話で訊いてみましょう。喜んで教えてくれるでしょう)。いまこそ、完璧さという呪縛を手放すときです。

あなたも将来の妻や夫の理想像をもっているかもしれません。向かいに住む男の子や大好きな映画スターへの初恋がその原型でしょうか。けれども、その理想の相手の外見は、あなたの期待通りではない可能性があることを受け入れましょう。

その人は、あなたの理想より背が低かったり、あるいは高かったり、太っていたり痩せていたり、肌の色や体毛が濃かったり薄かったりするのです。運命の人の外見について視野を狭めていると、目の前の可能性から目を背けてしまいます。あなたが完璧でないのに、どうして相手に完璧さを望むのでしょう? ダブルスタンダードはいけません。あなたは映画スターではないのですから。