「運命の人はどこかにいるはず。まだ出会っていないだけ」このような考えをもつあなたはロマンス志向型です。ロマンス志向型は将来のパートナー像に確固たる自信をもっていますが、その自信ゆえに幸せのチャンスを逃す人も……。あなたもそろそろおとぎの国から抜け出して、新たな物語をつくり始めませんか? 本記事は、ハーバード大学とGoogleで行動科学を研究し、恋愛コーチ兼マッチングアプリ研究ディレクターとして活躍するローガン・ウリー氏の著書『史上最も恋愛が難しい時代に 理想のパートナーと出会う方法』(河出書房新社)より一部を抜粋・再編集し、ロマン主義的な理想に立ち向かう方法について解説します。
白馬の王子様も寝起きの息はくさい…ディズニー映画がまき散らす「運命の人信仰」の代償【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】
4.ソーシャルメディア幻想
■ソーシャルメディアがまき散らすソウルメイト信仰
恋愛とは、がんばらなくても手に入るセクシーな愛のフェスタ(映える照明のもとで)。少なくとも、ディズニー映画やラブコメは虚構であることが明らかです。それに引き換えソーシャルメディアは、まるで現実の世界かのように見せかけるぶん、たちが悪いと言えます。
ソーシャルメディアでは、夕焼けに彩られたロマンチックな散歩から、レストランのように盛り付けられた手料理越しにキスする二人の写真まで、よりすぐりの理想の恋愛像が流れてきます。それに比べて自分の恋愛は……と比較して、悲観するのです。
■解決型マインドセットの考え方
まずもって、インスタグラムで目にするものは信じないこと。どの画像も、メッセージを伝えるために不要な部分が切り取られ、ぼかされ、ゆがめられているのです。恋愛について言うと、ソーシャルメディア上の画像は、過剰なほどフィルターがかけられた一部にすぎません。
泣いている写真や鼻をかんでいる写真は誰も投稿しないように、彼女との痴話げんかや、彼女と付き合い続けるか思い悩む様子を投稿したりはしません。ソーシャルメディアは、このうえなく幸せで情熱的かつ写真映えする恋愛を、誰もが簡単に手に入れているように見せます。それを見ると、恋愛への期待値が天に届くほど高く上昇してしまいます。
恋愛関係にはいいときも悪いときもあります。もしいまの恋愛に苦労しているのであれば、それはいいサインです。結婚生活の大半は、おむつを取り替えたり、洗濯をしたり、お皿を洗ったり、といった日常生活で、それらの取るに足りない出来事はソーシャルメディアにはめったに投稿されません。それでも、そういった日常のささいな瞬間の中にこそ愛が生まれます。愛とは、フィルター処理された夕焼け写真とはかけ離れたものなのです。
ローガン・ウリー
恋愛コーチ兼マッチングアプリ研究ディレクター