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昨今の「金利動向」と「マイナス金利解除」
日本の預金金利は、長くゼロに近い水準で推移していましたが、今年に入り上昇の兆しが見え始めています。2023年末時点での主要都市銀行の普通預金金利は0.001%という水準でしたが、2024年3月には各社金利を引き上げ、0.02%となりました。この引き上げによる金利の上昇率は20倍になります。
日本銀行「時系列統計データ検索サイト」のデータによると、銀行の預金金利が1%を割り込み、0%台となったのが1994年頃ですので、私たちはおよそ30年間、0%台の金利の時代を過ごしてきていることになります。
言い換えれば、「お金を預けても増えない時代」だったのです。
しかし、先述の通り今年の3月に各銀行は17年ぶりに金利を引き上げました。理由としては、日銀によるマイナス金利を解除したことがあげられます。
そもそも「マイナス金利」とは、どのようなことをいうのでしょうか?
金融機関は、もしものことがあった時のために、一定額を日本銀行に預けることが義務付けられています。マイナス金利とは、金融機関が一定額を超えて日本銀行にお金を預けた際に発生する金利をマイナスにすることを言い、2016年2月に開始となりました。ここでいう金利とは、政策金利のことを指し、私たちが銀行に預ける際の金利のことではありません。つまり、マイナス金利だからといって、私たちが銀行に金利を払うというものではありません。
では、「マイナス金利」はどのような効果があったのでしょうか。マイナス金利により、金融機関は日本銀行にお金を預ければ預けるほど、金利を支払う必要があります。金融機関としてはなるべく金利は支払いたくないものです。そのため日本銀行に預けるお金の量を減らし、その分、経済に回そうとする働きを促すことにより、経済活性化や物価上昇に期待ができるとされていました。
日本銀行は、経済の成長のためには毎年2%の物価上昇が必要だとしていました。この物価目標は2013年から掲げているので、10年以上にわたって日銀は物価上昇を推進してきたのです。ここ数年の経済を見てみると、皆さんもご承知の通り物価は上昇を続けています。2%の物価上昇率や賃金の上昇を続けている状況を鑑み、日銀の植田総裁はある種イレギュラーな政策であったマイナス金利政策を終了することにしました。
まとめると、マイナス金利解除とは、マイナス0.1%としていた政策金利を0%〜0.1%程度に引き上げることによって、日本銀行が金融機関からの金利の徴収を取りやめることであり、実行に踏み切った背景には日本の安定的な物価の上昇や賃金の上昇が挙げられます。
金利のある世界の「資産形成・投資戦略」とは
「預金金利が0.001%から0.02%に変わったくらいで、何が変わるの?」
そう考える人も多いでしょう。確かに金利の上昇額から見ると、さほど大きな変化は見られないかもしれませんが、…