夜中に目覚める人がしてはいけない3つの習慣

鎌田 間違った睡眠習慣が、中途覚醒をもたらすという話がありますよね。

・「早寝」:いつもより早い時間にベッドに入る。
・「長寝」:眠れないときでも、ベッドでじっと横になっている。
・「昼寝」:たっぷり昼寝をしてしまう。

そこで、中途覚醒を減らすために、この3つをしないようにする「睡眠制限法」というものがある。これは効果があるんですか?

和田 これはまさに自分が経験していることですね。私は基本的には仕事が終わってからでないとご飯を食べないので、夕食の時間は夜の9時になる。そこでワインを飲んで、10時とか10時半には寝ています。ワインでほろ酔いになって眠れるということですけれど、以前の自分からすると驚くほど早寝なので、それが中途覚醒の原因になっている可能性はあるかと思いますね。

鎌田 早寝ですか、いいことですね。では長寝に関しては?

和田 これもまさにそうです。私は糖尿病を持っていますが、何回も目が覚める前までは、10時半に寝ても大体5時ぐらいに起きて仕事していたのです。食事の時間は遅いけれど、仕事量は変わらないと余裕だったのですが、夜中に何度も目が覚めるようになってくると、10時半に寝ても朝の6時半か7時まで、うだうだとしていますね。

鎌田 とすると、早寝、長寝は、本当はしないほうがいいんだろうか?

和田 そう思うのですが……。ただ、私自身は、「眠い」とか「だるい」のが嫌で。だから基本的に毎日、昼寝をするんですよ。昼寝をしないと、午後の仕事に差し支える。患者さんの話を聞いていても、昼寝してないと眠くなっちゃうんです。

鎌田 眠ければ、短い昼寝をするのがいいということですね。

和田 確かに、「早寝」「長寝」「昼寝」は間違った睡眠の習慣なんです。「早寝」しようと普段は眠らない時間に眠ろうとしても、頭も体も覚醒しているのですから、なかなか深い眠りが得られない。人間の身体は普段ベッドに入る時刻の2時間ほど前から眠る準備が始まって深部体温が下がり始めるのですが、その直前は1日の中でも最も深部体温が高く、眠りにくい時間帯になっているそうなのです。人間の体は、横になりさえすれば機械的に眠れるようにはできていないということですね。

鎌田 そんな場合、すぐに寝付けないからベッドで本を読み始めるという人もいますね。ただ、ベッドにいるときに、眠れないで本を読んだりする時間が習慣づいてしまうとよくないんです。ベッドにいる間は寝ることに集中する。寝たくなったら寝て、寝たくないとか、眠れそうもないなと思ったらもう起きちゃったほうがいい。